今日は平日なので8号車オフィス車両の指定を取ったが今や有名無実化、普通の車両になっていてこれじゃWeb会議なぞ出来やしない。オフィス車両を遊ばせておくわけにも行かないだろう、何せこのはやぶさは8号車を含めて全席満席である。
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長い釧網本線。足を投げ出してウトウトさせて貰いました |
--網走駅22時--
2200に真っ暗な網走駅に放り出されると、目に入るのは駅前の東横インと左手のすき家しかない。
寒さを内側から暖めるしかない、すき家で命拾いした、なんてのは大げさで気温は5℃。むしろ暖かい網走の夜だった。ビールと牛丼生卵味噌汁の後は徒歩5分で民宿ランプ。
厳冬期に着いたならば、すき家はもちろんシェルターに違いない。
民宿ランプで充実のひと晩の後、翌朝は0730チェックアウトで網走駅へ向かう。気温は昨晩と同じ5℃で暖かい。
朝めしにランプパン。ランプの女将さんは可愛らしかった、また逢いに行きたい女性のひとりになった。
ランプから網走駅へ向かうにはデンジャラスな踏切を渡る必要が有る。
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石北本線に加えて車庫の線路が2本有るのに遮断機が無いDANGER ZONE |
ちなみにランプには「音鉄部屋」が有る。線路に一番近い民宿の部屋12畳が、おひとり様泊にも提供される。泊まったところでしかし、音鉄するほどの列車も通らないだろうに。
ここでJR北海道の廃線危機についてもおさらいしておこう。
- ①乗って来た函館本線の新函館北斗駅~長万部駅区間も廃線候補だ。但し貨物の幹線なので、旅客輸送は無くなっても線路は残る
- 釧路駅~根室駅の花咲線は前回乗った。海岸線を併行道路と並走している
- ②昨晩乗った釧路駅~網走駅の釧網本線
- ③これから乗る石北本線も、北見以東の存続は怪しい。遠軽、もしかしたら旭川までに縮まるかも知れない
- ④留萌本線は石狩沼田駅~留萌駅間の来年3月廃線と、3年後の深川駅~石狩沼田駅間廃線が決まっている。今日これから乗りに行く
- ⑤滝川駅からの根室本線は既にもう6年間も、途中の東鹿越駅~新得駅間が代行バスになっている。もはや時間の問題だ。途中の観光地富良野へは旭川から富良野線で行けるが、
- ⑥その富良野線も廃線候補である
- ⑦明後日は岩見沢駅から苫小牧駅へ室蘭本線を南下するが、幹線の千歳線と併行しているのでここも廃線候補
- ⑧日高本線は鵡川駅〜様似駅間が廃止されてから久しいが、短い盲腸線となった苫小牧駅〜鵡川駅間の21年度の営業係数は1,185(100円稼ぐのに1,185円掛かる)。これもお荷物。お荷物は捨てるために有る。3日目に乗る
- 函館本線山線は以前臨時特急ニセコで乗ったことが有り今回のルートからは省いたが、北海道新幹線開通で廃線が決まっている
JR北海道は全線赤字で北海道新幹線が札幌開業すれば赤字が更に増す。ローカル線の足切りを表明しているが、これら路線を廃線廃駅したところで赤字削減額はたかが知れている。
つまり、北海道ドリームを掲げる新幹線札幌延伸はローカル線どころではない巨額の赤字を連れて来る。
それでも新幹線札幌延伸にこだわるのは緊急時に道民を本州へ避難させるルート確保でこれは国策。即ち北海道は国鉄にしてしまうのが分かりやすい。同じく民営化された郵便局はどうだろうか、恐らく北海道では赤字で、全国でその赤字を埋めているに違いない、鉄道もJR北海道にサバイバルさせるのではなく同様の考え方で良いはずだ。
熱くなったが閑話休題、今回の乗りつぶし旅では上記①~⑧の路線を3泊4日で一気にやっつける。これによりJR北海道の廃線候補路線を完乗することになる。どうか最後までダイヤ通り走って下さいJR北海道様!
本日の乗車距離 1,592.9km
新規完乗路線 釧網本線
--石北本線開業90周年--
<2日目>
0745民宿ランプをチェックアウト
0806網走駅発6082D キハ183形特急大雪の発車を待っていると、北見駅0647発網走駅0753着の普通列車4521Dが着いて数十人の高校生が吐き出された。
ひとつしかない駅の改札に、かわいそうに並んでいる。ローカル線の鉄道利用客の主役は高校生。学校がスクールバスを出せば列車は要らなくなる。
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網走駅高校生の行列 |
遠軽駅でスイッチバック、白滝駅を通過し大雪は難所石北トンネルへ登る。
石北本線開通90周年の記念すべき年。キハ183形特急大雪はあえぎながら登る。
旭川駅乗り換え、電車特急ライラック22号→深川駅前でラーメンの後に留萌本線に乗車。
今日は金曜日なのでさほどでも無いが、週末は「葬式鉄」が溢れておぞましい光景になる。そんなことも考慮して、留萌本線乗車は平日に組んだ。
深川駅〜留萌駅を結ぶ留萌本線沿いには通行料無料のバイパスが整備されていて、留萌本線廃線準備は整っている。
始点深川駅1328発4927Dの次の駅が難読駅北一已(きたいちやん)。その後はさほど魅力的な車窓も無いまま、一両編成のキハ150形は1425終着の留萌駅に到着する。この列車は折り返し1617発4928D深川行きになる。
市内観光に充て、留萌港近くに新しく出来た道の駅。観光案内所でマンホールカード。ドローン空撮して1545位に駅へ戻ると既に10人以上が改札待ちに並んでいた。週末はホントにおぞましいことになろう。発車10分前位に改札。座って動き出すとたちまち車窓は闇に包まれた。北国の冬はつるべ落とし、乗り鉄も悪くないが暗くなるとまるでつまらない。
しかしこの日の道中はまだまだ長く、何と深川→滝川→東鹿越→代行バス→新得まで行かなければならないのである。ケツにムチを入れる。
深川駅から滝川駅は特急ライラック。
滝川駅1757発根室本線快速狩勝3483Dはキハ40-1707。
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サボの「快速」の文字が素敵 |
--快速狩勝--
赤平駅 5人下車
茂尻駅 2人下車
芦別駅 19人下車
上芦別駅 3人下車
今7人(家族連れ3人含む)
富良野駅 3人乗車で10人
布部駅 プラマイゼロ
山部駅 家族連れ3人下車
下金山駅 1人下車
金山駅 1人下車(翌日明るい時に見たら川の名が砂金川。金が獲れたんだね、ここは)
終着東鹿越駅まで残ったのは可愛らしい女子(仮称:A子)ひとりと我々おじさんふたりの計3人だった。
乗り降りの計算が少々合わないが残ったのは3人だった。
A子は手慣れたふうに、駅前に待っている代行バスの後ろの方に乗り込んだ。
代わりに折り返しの列車3488Dに乗り込んだのは初老のご婦人ひとりとジャージ姿のJKふたり。彼女らは逆ルートで東鹿越駅へ運ばれて来ていた。ひとけの無いこんな暗がりに若い女子なんて都会じゃあり得ない。
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東鹿越駅で待っている代行バス109便 |
バスはふらのバス(株)の大型観光バスで、災害で線路が千切れた2016年からもう6年以上この任務に就いている。こんな使われ方は観光バスとしては不本意だろうが、コロナ禍で稼働が減ったことも有り、駐車されたまま錆びつくよりは良いだろう。
なんとなく嬉しそうに走るバスの車内で気づいた。音が静かで快適だ。リクライニングも出来る。
ガトゴトガタピシプシュプァーン、幾度となく繰り返される「ワンマン運転は一番前の扉からお降りください」放送その他、五月蝿かった騒音が何も聞こえない。
乗り換える手間はあるもののもしやこの代行バスの1時間は、ディーゼルカーの角張った座席に揺られて来た乗客達のひとときの安らぎになっているのかも知れない。
--ぽっぽや--
幾寅駅(映画『鉄道員(ぽっぽや)』の「幌舞駅」)、落合駅と立ち寄る。乗降客はもちろん居ない。
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快適なバスの車内 |
落合駅前が道道1117号線の起点だった。北海道は広い。道道の番号が4桁も有る。
鹿が危うくバスに轢かれそうになる。
暗い狩勝峠国道をバスはひた走る。
小一時間の乗車で、見えて来た町は新得。
新得駅前にバスが着くと、一緒に乗って来たA子は電車に乗るために駅舎へ入った。彼女はこの先どこまで行くんだろう。
駅から徒歩数分の宮城屋旅館に投宿。本日ラストのバスが快適だったお陰で(?)わしらにも元気が戻っている。
石油ファンヒーターで暖かい部屋に荷物を置いた後は徒歩5分のセコマで明日の朝めしを調達。夜のセコマもこの町では貴重なオアシスだ。
駅方向へ緩やかな坂を上り、旅館並びの居酒屋で焼き鳥(豚バラ)、鰊、シシャモと酒の晩飯。
新得出身のご主人と札幌出身の女将、気のいい夫婦で楽しかった、根室本線廃線の話をすると「確かに石勝線だけ有れば困らんな」とご主人。聞くと車で1時間の帯広は生活圏だが、ばんえい競馬は未経験だそうだ。
良く呑んで23時の閉店に合わせて退散。暖かい部屋でよく眠る。
本日の乗車距離 527.5km
新規完乗路線 石北本線、留萌本線、根室本線
累計 2,120.4km
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旅はいよいよ佳境へ。後半3日目と4日目(最終日)のプランはこちら |
--北海道の重心地--
<3日目>
朝めしはセコマクリームパンにソフトカツゲン
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カツゲンはいつも胃に優しい |
07:30宿を出て、駅前を散策の後に0759発の代行バス104便に乗る。
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北海道を海岸線で切り取って指の先に乗せるとそこが新得と言うことか。もちろん北方領土も入れるんだよね |
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ありがとう、ふらのバス |
乗客はわしらの他に旅行者ひとり、通勤客かな?のおじさんがふたり。
昨晩は寄らなかったサホロリゾートが最初の停留所(乗降客無し)、落合駅(婆ちゃんふたり乗る)、幾寅駅(その婆ちゃんふたり降りる)。婆ちゃん達は駅のお掃除でもしてくれているんだろうか?
昨晩は真っ暗闇で誰一人見かけなかったが、明るい今朝も道中また誰一人見かけない。
定刻に東鹿越駅着。みんな降りて停まっている車両2478Dに乗り込む。
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線路が千切れて始終点になり何やら脚光を浴びた感だが、実際は路線有数の過疎駅、ほぼ秘境駅 |
--おにぎり茶屋--
昨日は滝川駅から根室本線を南下して来たが、今日は富良野駅で降りて富良野線を旭川駅まで北上する。
富良野線728Dはキハ150形2両編成。美瑛や富良野の観光地を擁する富良野線も廃線対象だ。コロナ禍が無かったとしても観光客だけじゃ線路はもたない。新千歳空港や札幌駅から観光バスの方が便利だ。
富良野駅、7分の乗り継ぎで旭川行きに乗車。
1038美瑛駅。前回はここからノロッコに乗った。
1110旭川駅着。
宗谷本線比布駅にちょっと寄り道。
1235に旭川駅へ戻り、旭川駅前ビルのおにぎり茶屋で感動の昼めし。無条件でお奨めします!
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このおでん定食が何と600円!本当は白ご飯だが、白ご飯欠品でいなり3個になった |
駅へ戻りKIOSKで買い足しの後は1400発3026M、この旅3回目の特急ライラックで岩見沢駅。
時刻表では室蘭本線への乗り継ぎに6分有るはずが実測約2分で跨線橋を走らされる。まったく、何時間かに1本しか列車を走らせないくせに何故ここだけ急がせるのか訳が分からない。
室蘭本線はまたもキハ150 1470D。こいつにはもう乗り飽きた。
ノーザンファームの安平、早来を通って苫小牧駅。漆黒の闇を日高本線苫小牧駅〜鵡川駅往復キハ40-1785(2231Dと2232D)。そしてこの旅最後の普通列車、苫小牧駅〜東室蘭駅は448D生きた化石キハ143-153。やがて1953東室蘭駅に到着!
3日前に新函館北斗駅に上陸してから北上の後は南千歳駅からほぼぐるりと左回り一周して事実上ここ東室蘭がゴール。達成感は素晴らしいが普通列車の長時間乗車を舐めていた。長く乗るには特急のリクライニングシートが要る。
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真ん中辺のループをぐるり左回り完乗。道内であと乗っていないJRは学園都市線と函館本線渡島半島の支線のみ |
初日は民宿、昨日は旅館。今日は温泉大浴場付ホテルにグレードアップ。
最終目的地への到着時刻も、初日2200から日に日に1時間ずつ縮まっている。これはいい、だいぶ楽だし気分も上がる。
旅行割でホテル代は半額近くになり、1,000円の北海道クーポンも貰えた。
至近の居酒屋でホッキ貝刺し、タコ刺し、特製イカゴロ刺し、室蘭焼き鳥にザンギ。酒は根室「北の勝」と最北の酒蔵国稀酒造の「国稀」。美味かった。いつかさっちゃんと一緒にザンギを食べたいものだ。
カラオケスナックへ行く元気は何故か無く、珍しくおとなしく沈没。
本日の乗車距離 461.7km
新規完乗路線 富良野線、室蘭本線、日高本線
累計 2,582.1km
--日本一の坂--
<4日目>
ホテルの朝食の後、0900開店に合わせて駅レンタカーへ。レンタカーは大人の休日倶楽部パスのオプションで込み込み5,000円と安い。それに室蘭は3時間で制覇出来るこじんまりとした街で、最終日の息抜きにちょうど良い。
室蘭ツアーはこんな感じだった
0900 駅レンタカー屋発
0920 地球岬。スカッと晴れてたら素晴らしいんだが、あいにくの曇り空
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水平線は少~し丸いかな |
0940 JR室蘭駅
0950 旧室蘭駅(観光案内所)
徒歩で日本一の坂
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何故か日本一の坂。後ろの廃屋が倒れて来そうで怖い |
1005 戻る。旧室蘭駅でD51と館内資料の見物
1030 白鳥(はくちょう)大橋展望台
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なかなかの景観。橋が赤けりゃサンフランシスコ |
1050 道の駅
1110 白鳥大橋を渡る
1125 中嶋神社お詣りと御朱印
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立派なお宮さんでした |
1145 小がね 輪西店(12時に予約しておいた)
室蘭カツどんはご飯と鍋が別に出て来て豪華感が高い
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やっぱカツどんはお昼のホームラン王ですね! |
1220 発
1230 レンタカー返却
1339 東室蘭駅発 北斗12号に乗車。ここから東京駅までは特急と新幹線に「運ばれるヒト」
1540 北斗12号車内で聞いた競馬ジャパンカップは外れ
1552 新函館北斗駅着。最後のビールはサッポロ SORACHI1984ホップ。最終レースも外れ
1620 〃 発 新幹線はやぶさ40号
1900 サッカーW杯コスタリカ戦キックオフ。新幹線のWi-Fiはパンパンだ
2032 東京駅着
...コスタリカに黒星...