2017年5月29日月曜日

MOIイレブン・奄美Again!珍道中記


JOIJuneJuly Of Islands)と呼ばれる、我ら東源協島しょ部による島キャンプの歴史は旧く長大である。ちなみに5月開催の時はMay Of IslandsなのでMOIと呼ぶ。

振り返れば、

JOI-Ⅰ 19966月 三宅島 大久保浜キャンプ場 
JOI-Ⅱ 19976月 同上(キャンプ中に酒鬼薔薇聖斗逮捕の報) 
JOI-Ⅲ 19996月 同上(台風で大嵐、まる2日テント内に封じ込められる) 
JOI-Ⅳ 200x6月 式根島 釜の下キャンプ場(2000年の三宅島噴火で式根へ退避) 
JOI-Ⅴ 20xx6月 式根島 釜の下キャンプ場(リタイヤ続出の、魔の式根アクアスロン大会の時) 
JOI-Ⅵ 20126月 式根島 釜の下キャンプ場(シンちゃん参加) 
JOI-Ⅶ 20136月 新潟県 角田浜キャンプ場(三宅へ行くはずが台風発生で避難、JONIになった) 
MOI-Ⅷ特殊編 20145月 山梨県 一之瀬高原キャンプ場(渓流釣り) 
JOI番外編 201410月 長野県 入笠山JAハウスキャンプ場(宏美さん参加) 
MOI-Ⅸ 20155月 長老還暦記念大会@奄美大島 渡連キャンプ場 
JOI-Ⅹ 20166月 第10回&20周年記念大会@西表島ミトレアキャンプ場
そして今年は
MOIイレブン 2017年5月 母浜へ還ろう!奄美大島 渡連キャンプ場アゲイン、である。

母ウミガメは一生をのほほんと海中で暮らすボケ♂ガメとは違い、危険を承知で陸地の砂浜へ産卵のために上がる。 母ガメの脳には「ここを上がれば産卵出来る」、と言う「母浜(ぼひん)」が摺りこまれている(自分が産まれた浜に限るわけでは無いようだ)。
母ガメはドンピシャ迷いなく上がって来る。その行動メカニズムはこうだ。

  1. 上がって来るのは満潮の前後1時間。干潮時に浜へ上がると産卵場所までの距離が長い。波に乗って、満潮時刻を狙ってやって来る
  2. 浜に着いた母ガメは砂浜を海と反対側へ向けて歩き出し、ここぞと思う場所に辿り着くと地ならしの後、後肢で穴を掘る。穴の準備が出来たらようやくボトボトボトと穴に卵を産み落とし、自らはまるで泣いているかのように眼の周りに粘膜を付けて砂から守り、やがて豪快に穴を砂で埋めた後、ぐるぐる回って再度地ならししてから海へ戻る。ここには何も有りませんよ的な地ならしだが、人間が見ればバレバレである。母ガメが浜に上がって海へ戻るまでは2時間~2時間半である
  3. 朝になる(明るくなる)前に海へ帰りたい母ガメは、まさか朝6時から産んだりはしない。 夜間に満潮時刻が有る日の4時以前が産卵の時間帯になる
  4. これに潮まわりが関係する。
    潮汐差の大きい【大潮】よりも【中潮】位の方が良いようだ。これは奄美の大先輩の経験則によるもので、ワタクシは追加勉強中の身
 【今回の状況】


潮汐
5/25(木)
中潮
5/26(金)
新月
大潮
5/27(土)
大潮
5/28(日)
大潮
満潮
干潮
満潮
干潮
満潮
干潮
満潮
干潮
19:07
12:39
19:55
13:24
20:44
14:10
21:33
14:57

新月だと星空を観られて嬉しい、何となくカメも来そうな気がする。そんな新月の神秘性に惹かれた今回の日程だったが、上表の通り満潮時刻と潮まわりは誉められたものじゃなかった。気温が低いのも影響したか、今回の奄美ではウミガメの産卵を観ることは出来なかった。至極残念だが気を取り直して珍道中録を書くとしよう..

5月25日(木) 第1日目

8:00から席を取り、10時からの株主総会を想定通り10:46閉会で終えたtanaka隊長は池袋メトロポリタンホテルの会場を出ると速足で山手線に乗った。
羽田発フライトは12:30発14:40奄美着。急げばラウンジでビールも呑めるか?とこれまた速足で品川駅を上がるとタイミング良くエアポート快速がやって来て、11:50には空港ラウンジに居ると言う快挙を達成。ラウンジでおにぎりとビール。到着後にレンタカーを運転するので、ビールは1杯でやめておく。
12:25に優先搭乗。フライトは快調も、若干遅れて15時に奄美空港着。

サイゴーレンタカーでADバンを借りる。さっきまで土砂降りだったとかで車はしずくだらけだが今は晴れている。カーナビは使えない。ETCは要らない。
まずはキャンプ場→名瀬のヤマト運輸営業所→58号線→ビッグⅡで買い物→キャンプ場と、島の手前を左回り一周することにした。

渡連キャンプ場に着くと新設の手作り事務所に荒田さんが居らした。今日泊まるのはひとりだけ、明日からふたり増える旨話し、バンガローを1棟借りた。室内の備品を点検すると、食器類や鍋釜、冷蔵庫、炊飯器等々ひと通り揃っていた。有難いこっちゃ。

次は県道81号線経由でヤマトの名瀬営業所へ。今回はキャンプ道具を詰めたスーツケースを営業所止めで送ってある。何しろ株主総会が延びる恐れも有り、転がして行って飛行機に積むとか、羽田止めにしておくのは時間的にヤバそうな局面も有り得たので安全策にしたのである。

24.7kgのスーツケースは名瀬でけなげにtanaka隊長を待っていた。ADバンに積んでビッグⅡを目指す。

ビッグⅡは相変わらずビッグⅡだった。
買うものは100円ショップのカセットガスから釣り道具、野菜、肉、ビールその他諸々と幅広い。それらがすべて1ヶ所の広大なワンフロアで手に入るのがビッグⅡである。

たった3人分の買い物は難しい。買い物を終えてキャンプ場へ戻ると結構な時間になった。ただし日没までにはまだ時間が有る。バンガローの窓を全開にすると波の音がザッパーン!と室内に入り込んだ。
今日はもう運転をしない事を再確認してからビールを呑む。
晩飯作りに取り掛かる。コメをとぎ始める。ここで先に全行程の献立を紹介しておこう。

 【献立結果表】

5/25(木)
5/26(金)
5/27(土)
5/28(日)
朝食
--
ごはん残り
おかず残り
BLTトースト
目玉焼き
デコポン
コーヒー
BLTトースト
目玉焼き
パパイヤ
デコポン
コーヒー
昼食
--
月見おろし蕎麦
揖保乃糸素麺、ざるうどん
おろし
生姜
ネギ
けいはん丼 or
けいはんラーメン、餃子、
瓶ビール、島のナポレオン
夕食
五穀米ごはん
鶏肉ポン酢さっぱり煮とゆで卵(ニンニク、しょうが入り)
シビ(まぐろ)中落ち
島つきあげ
朝鮮漬け
ビール、高倉、うっちん茶
コーヒー


シビの御造り
 BBQ
牛ステーキ肉
豚薄ロース肉
ジャガイモ
ピーマン
ニンジン
玉ねぎ
島つきあげ
朝鮮漬け
五穀米ごはんの焼きおにぎり
お好み焼き
ビール、高倉、いいちこ、ヘネシー、うっちんん茶
舎弟が茹でてくれたシャコ貝とトビンニャ
シャコ貝のグリル
グリルソーセージ
キャベツとベーコン&コーン炒め
ナス焼き
韓国風わかめスープ卵とじ
白ごはん
クレソンサラダとおひたし
庭になったパパイヤ
ビール、高倉、いいちこ、ヘネシー、うっちん茶

(軽食)
塩むすび


パーコレーターも活躍を開始
つつましい、初日ひとり分の晩飯
最後の晩の、シャコ貝のグリル

かように豪華な食卓。
最後の晩は舎弟のハルキ君の活躍でテーブルに貝が躍った。感無量である。

さて初日はひとりだけの貸し切り浜。飯を喰い、黒糖焼酎高倉をうっちん茶をチェイサーに頂いていると徐々に夜も更けてラジオの海外放送の入りも良くなり、BGMは波の音とトッケー(ヤモリ)の鳴き声と朝鮮中央放送になった。やがて深夜のウミガメパトロールに向けて少し眠る。

深夜のパトロール2往復は空振り。ひとりで歩く暗い浜は慣れるまでは少し怖い。ここが日本海の海岸だったら拉致されそうでもっと怖い。
キャンプ場のビーチ(正式名称は安木屋場渡連浜(あんきゃばどれんはま))の西側に有る、もう1ヶ所の短いビーチも見に行った。
翌日聞くとここは幽霊が出るので「幽霊浜」と呼ばれているそうだ(((o゚Д゚o)))..何でも昔、口減らしで子供を間引いて殺したとか..

   △
 (´・ω・)
 (つ旦O
  )ノ
(おー怖)

パトロールが終わってもうひと眠りしようと思ったが眠れなくなったので、1107KHzMBC南日本放送鹿児島放送局のラジオを聞きながら日本ダービーの予想をした。
競馬予想にはまるで似つかわしくない島で、その通り予想にもどうにも気が入らない。
ウトウトしつつ朝を迎えると昨日以上の快晴。今日は15時に到着する後発部隊を迎えに、空港へ行かなければならない


5月26日(金) 第2日目

ずっと起きていて腹が減っていないので散歩に出た。
未明にパトロールした浜を改めて往復する。この浜は1km有るのでパトロールの2往復は4km、しかも砂浜を歩くので結構な運動になる。浜に残る足跡は先ほどつけたtanaka隊長2往復のもののみでどうにも徒労感が強い。
小一時間外に居たら少し腹が減って来たので残りもので朝飯にし、残ったご飯をおにぎりにする。

空港への迎えは14時過ぎにキャンプ場を出れば良いので時間は沢山有る。

まずは釣り場を探しに県道を名瀬方面へ向かった。
龍郷町立龍北中そばに堤防が有るので行ってみたが、干潮に向かっている事も有って釣りにならなかった。次に名瀬大字有良に有る一本堤防を目指したがここも釣りには向かない。
車を走らせているとカトリック教会の多さに驚く。小さな集落ごとにカトリック教会が有る。

 --<コラム>マリアの祈りの島・奄美大島--

奄美カトリック教会めぐり」サイトによる大島島内にカトリック教会は31ヶ所も有り、内28ヶ所が北部に集まる。奄美市と龍郷町の合計人口は47千人。信者数は3千人以上で、信者率何と6%強を誇る。これは一般的な数字の10倍以上だ。
どんな宗教にも布教の苦労と迫害の歴史が有る。
もっとしっかり観て来るんだった..と猛反省..

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少し進むと名瀬市街を見渡せる大熊展望台。この先の釣り場は名瀬港になってしまうので一旦退散し、元の道を戻ると既に干潮が激しく始まっていて、見る見る間に海水が沖へ吸い込まれるように遠ざかって行く。月と地球の引力を強く感じる瞬間だ。
適当なところで車を停めて、アジ用ジグヘッドにオキアミを付けて釣り開始。リーフのクラックにオキアミを落とすとベラが入れ喰いだが、ベラばかりは要らんので中通しオモリを付けて素早く底へ落とすようにしたところ何投目かで焼いて喰えそうな魚が釣れた
ハリを外し〆ようとしたら逃げられて喰えなかったと言う残念な魚
やがて太陽は南中しカンカン照り、これ以上の日焼けもたまらん、釣れるのはろくな魚じゃないしそれに腹も減ったので一旦キャンプ場へ戻ることにした。
何を喰おうか迷ったが「ざるそば」をチョイスし、乾麵2輪を茹でている間に大根をおろす。
卵を割りネギを刻んで「おろし月見ざる大盛り」。
ビールを飲みたいが車を運転するのでコーラで我慢する。

潮はリーフの境目まで引いてしまい、BGMの波の音は無くなっている。
潮が引いて露出したリーフへ、地元の人達が得物を手に潮干狩りに繰り出し始めた。

ふたりがやって来るフライトは10分ほど遅れての着陸らしい。
14時を過ぎてキャンプ場を車で出発。途中の店でアイスを喰って14:45に空港ビル屋上にスタンバイ。機は定刻10分遅れの14:50に着陸、やがて駐機して15:15位に3人で空港を出た。

昨日の買い出しでステーキ肉と豚ロース薄切り肉を買って有る。
今夜はバーベキューを提案し、不足している焼肉のたれと炭を買い求めに改めてビッグⅡ。
帰路通り道のFM龍郷店でビールとヘネシーも補給。黒幕引き丼の黒箱は昨夕から変わらず4個並んでいた。この島で上田元会長勇退は、失礼だが何も響かないだろう。

今夜のメニューは荒田さんを交えてのBBQ、牛ステーキ肉、豚ロース薄切り肉(お好み焼きにも使用)、野菜焼き、サラダ、五穀米ごはんの焼きおにぎりとお好み焼き。
早速BBQコンロ、金網、炭、食卓を準備して開宴。実業家ミスター・トシミツアラタの浮き沈み人生話を肴に酒も進む。

ウミガメパトロール①敗退。
締めのお好み焼きで腹も膨れた。
話を聞くとどうやらフネが新型らしい。明日は海へ出よう、とチカラ強く荒田さんが宣言。こりゃ明日が楽しみになった!
片付けて終宴。

2時半のウミガメパトロール②も敗退。
諦めて良く眠る


5/27(土) 第3日目

みな割と早く起き、昨晩の洗い物の後の朝食はBLTサンド、目玉焼き、デコポンとコーヒー。
食パンはカセットコンロと魚焼き網で焼く。

女子はフネに乗せて貰うおねだりに荒田さんのところへ行くがオヤジさん何と朝っぱらからビッグⅡを2往復していてなかなか捕まらず、痺れ切らして龍郷港へ向かったら漫画のようにすれ違い、引き返してのカーチェイスも間に合わず結局降り出しに戻って10時20分に龍郷港そばの係留所(マリーナ)へ向けてクルマ2台で出発した。

全くもって手際が悪い舎弟を荒田さんが叱りながら乗船する。もう潮が引き始めていてフネは低く、飛び降りて乗る。燃料を補給してもやいを解いて出発だがいかんせん手際が悪い。このフネの慣れにはふたりともどうやらもう少し時間が掛かりそうだ。

龍郷マリーナに係留された荒田丸(仮称)

ゆっくりと龍郷港を出ると龍郷湾の奥からぐるっと湾口まで進み、幾多のダイビングスポットやリゾート群を見ながらマリーナの向かい側にあるビーチまで40分ほどの、なかなかワイルドなクルージングだった。ひとり1.5万円位は掛かりそうなオプショナルツアーである。

昨年ここ龍郷湾に大型浮き桟橋を作ってリゾート開発し、中国人観光客5,000人乗り全長400mの大型クルーズ船を入れる計画がぶち上げられた。住民の猛反対でボツになったが、ここの豊かな自然の景観をみればここが欲しくなる気持ちは良くわかる。

自分の家のそばに火葬場やゴミ焼却場を作って欲しく無い、に似た感情的な反対論もわからないでは無いが、では奄美大島の人たちはずっとサトウキビを絞ってハブを狩って暮らすしか無いのか、と言う現実の解決にはならない。
共存共栄の途も、機会がある毎に将来を見据えて真摯に考えて行くべきであろうとtanaka隊長は思う。

閑話休題、荒田丸(仮称)はマリーナから1.5kmほど沖のこじんまりとしたビーチに上陸した。ここでしばし海遊びである。岩場でジグを落とすと相変わらずベラが釣れた。冷蔵庫にオキアミが有ったのに、持って来るのを忘れてしまった。
舎弟のハルキ君は、岩場で投げている内は良かったが浜から投げたら一発でサンゴにルアーを引っ掛けた。2,000円位はしそうなスピナーベイトだったからもったいない。何か喋っているので聞くと「潜っているお嬢ちゃん(!)に取って貰いたい」とのことだったので、サンゴ礁方面へ移動して富岡人魚を陸に呼び寄せ、回収にトライして貰うことになった。


舎弟のハルキ君と人魚


さすがに水深が有って人魚も難儀したが、近場でラインに触ってくれたお陰でルアーは岩から外れ、無事回収となった。ハルキくん喜ぶ。

冷えて来たのでマリーナへ戻る。潮が引きに引いて係留場所からは堤防へ上陸出来ず、階段に付けてもらう。フネをもやった後の荒田さんはアクロバティックに堤防のフチを渡って上陸した。ハシゴが必要だと、早速目算している。日々これ改善。さすがである。
ちなみに奄美のフネ係留は何と無料。東京なら月10万やそこら掛かるから、フネを奄美に留めて係留代金を旅費に充てる人もいるとの事だ。

キャンプ場へ帰ると素早く素麺とざるうどんを茹でて、荒田さんとハルキくんと共に喰う。潮干狩りに早く出たいハルキくんは麺もそこそこに既にバールやタガネを手にしてウズウズし始めた。手早く喰い終えてリーフエッジを目指して歩く。

初めは獲物がなかなか見つからないが目が慣れてくるに従って色々見え始める。
獲り方がわからず最初に見つけた小さいシャコ貝は砕いてしまった。
ハルキくんのお手並み拝見で獲り方が解かった。貝の横の隙間にバールをこじ入れて周りを緩め、テコで引っこ抜く。ちょうどタケノコ掘りの最後の場面と同じである。要領さえわかればしめたもの。ビロビロに触手を伸ばしてグロテスクなシャコ貝(大)を幾つも引っこ抜く。

擬態チックなシャコ貝をまず見つけるべし!
 
このシャコ貝と言う奴は貝柱がカラダ(貝がら)の外に有ってテーブル珊瑚に貼り付いている。引っこ抜く=体外に出ている貝柱をぶっち切る、と言うことになる。いわばサンゴのすき間に「生えている」奇妙な生き物である。

でかすぎでしょう!

5/27(日) 第4日目(最終日)

みな今日も割と早く起き、昨日と同じくBLTサンドとコーヒー、クレソンのおひたし、パパイヤの朝飯にした。食パンは5枚残っていたのでtanaka隊長2枚、女子隊員は1.5枚ずつが割り当てられた。

昨夜は前夜に続いて炭を熾し金網とフライパンを用意して、網での焼き物はシャコ貝のグリルとソーセージ、フライパンでキャベツとベーコン&コーン炒めとナス焼き、ハルキ君が茹でてくれたシャコ貝とトビンニャ(いやぁこれは美味!沢山獲り過ぎて喰い切れず余ってしまったのが惜しい)、クレソンサラダとおひたし、韓国風わかめスープ卵とじに白ごはん、デザートはパパイヤと言う豪華版だった。

高倉とヘネシーを呑み尽くし、荒田さんがくれた余り物の「いいちこ」も呑み切った。相当飲んだが酒が翌朝にまったく残らない。まったく以てうっちん茶効果は素晴らしい。

さて今日は片付けと出発日である。特に海へ入る予定も無いので12時キャンプ場発を目標に、三々五々荷物整理、掃除と片づけを行う事にする。

片づけの時間は怠惰にまったりと流れた。食材はほぼ喰い尽くして余り物はほとんど無く、油や麺つゆなどの調味料や乾麺が若干残ったので荒田さんに引き取って貰う。
部屋を掃くとトッケー(ヤモリ)のミイラが出て来た。

何ともけなげな、ヤモリの干物
ゴミを片付けてちょうど12時。荒田さん達との別れを惜しんでキャンプ場を出発した。キャンプ場を発つ時は大抵何処も名残惜しいものだが、ここの名残惜しさは特別だ。
ハルキ君とまた会えるだろうか?

大型スーツケース2個を収容したADバンは、空港へ行く前に龍郷町にある奄美自然観察の森へ立ち寄ってみることにした。森へ向けて標高を上げて行く途中は鮮やかな緑色の毛虫がそこかしこの道に這っていて、車のタイヤはパッチンと毛虫を踏んで爆ぜさせてしまう。
害虫とは言え余り踏むと夢に出て来そうなので帰路は一匹も踏まないで降りた。

望遠レンズを並べて観察しているオジサンたちの一行が居たので聞いてみると、天然記念物の「オーストンオオアカゲラ」の巣に雛が居て、時折親鳥が餌をやりに来るところを狙っていた。
親鳥は観られなかったが木の幹の巣穴から顔を出して親鳥を待つ、可愛い雛の姿を観ることが出来た。

ちなみにオーストンオオアカゲラはキツツキ目キツツキ科、天然記念物で絶滅危惧ⅠB類(EN)。奄美大島の原生林にだけに生息し ていて絶滅が心配されている貴重な種です。


園内の見晴らし台からの景色は絶景。詳しくはこのサイトで。

小腹がすいたので持参の塩むすびをひとり1個ずつ。

この後の予定は、
「ばしゃ山村でお土産追加」→
「レンタカー返却」→
「14:15分頃には空港に着いてまったりとビールとメシ」→
「15:20優先搭乗、15:40奄美空港発、17:40羽田空港着」の帰宅モード。

ばしゃ山村で鶏飯と言う手ももちろん有ったが、運転手のtanaka隊長だけビールを呑めないのはけしからんので、皆が納得する空港でのメシにした次第。

予定通り14:15に奄美空港に着いた。
かくして珍道中は終わりが近づいた。

ウミガメの産卵に対してはまだまだ脇が甘く未熟だった。深く反省するばかりである。
今回学んだことを反映すると、実は来年は良い時期が5月に有る。
それはズバリ、2018年5月10日(木)~13日(日)である。新月を15日(火)に控えて潮目が良く、満潮時刻も未明の4時~5時。先のことはわからないが、来年もMOI@奄美大島ならこの期間しかない。

昭和の趣味にBCLと言うのが有る。ラジオ局の電波を探し、番組内容と「SINPOコード」で表現する受信コンディションを報告すると「受信証明書(通称:ベリカード)」を送ってくれる局が有る。
奄美で初日の未明に眠く無くなり、ラジオを聞いていた。
帰京してから受信報告書を送ると、素早くベリカードが届いた。
懐古趣味に帰るのも、なかなか良かった奄美大島旅であった。

RKB毎日放送1278KHzのベリカード。実は右上の文字が間違っている

手書きで受信内容を書いてくれたRKB毎日放送の多分女子社員

「地元」のMBCラジオのベリカード。名瀬で無く鹿児島の周波数で聞いてレポートした
Thanks A Lot, Mr.Arata-san and his families!
(了)