昨年から雨後のタケノコのように乱立する上海の新型コンビニ。箱の中に閉じ込められて買うIDタグ決済型からカメラと重量センサーで構える上海版Amazon GO(簡24)など多彩だが、現実的に面白そうなのはレジレスで客自らスマホ会計する「猩(猿)便利」モデル。
そこで実際の買い物までやってみた(2018年4月14日(土))!
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やって来ました猿便利 长宁路店 |
買い物の流れ
<必要なもの>
- スマホ
- 「猩(猿)便利」アプリ
- アリペイか、WeChatPay決済
WeChatのチャットは日本人も利用出来るが、Payの決済アカウントを日本人が使うには少々準備が要る。この辺りの
ブログに詳しいので参照して進めて下さい
こいつが無いと猿便利アプリとWeChatPayを紐付け出来ない。日本から持って行ったSIMカードは迂闊にもデータ通信専用だったので、南京東路から外灘(バンド)方面へ行く途中の四川中路に有った雑貨屋で200RMB分使えるSIMを買い、連れて行かれた並びの
中国联通ショップでパスポートを出し顔写真を撮られてめでたく開通した。携帯番号と顔認識、中国人の信用はこの2つだ。今回はこのSIMを以前海外出張時に使っていた台湾NOKIAガラケーに挿し込んで使った(SMSさえ届けばどんな機種でも良い)
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持って行ったお陰で役立った20年物のNOKIAガラケー。台湾で買ったのでキーボードがボポモフォだ |
無人店舗ではない
猿便利はレジカウンターとレジが無いだけで従業員は居るコンビニ。中華まんやおでんなどFF調理もしている。店員がやるその他の仕事は商品補充と掃除。
猿便利は猿でも買えるコンビニ、ではなくて
猿でも店員が出来るコンビニのことらしい。
(店員にカネを扱わせないというのはメリットが大きい)
お客は店内を商品スキャンしながら買い歩き、買い物袋にも自分で入れてアリペイかWeChatPayで決済(支払い)する。その後アプリから支払い証明QRコードが表示されるのでそれをドア脇に有るセルフチェックアウト機にかざす。これで終わり
準備編
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① WeChatPayを有効にする |
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② 残高。中国の銀行口座を持たないとチャージ出来ない |
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③ WeChatPayから60RMBを猿マネー(?)へ移しておくだけで5RMB貰える |
買ってみよう!
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④ 猿便利アプリのトップページ。まずどこの店に居るかを店内のQRコードをかざして特定する。多分個店ごとの店頭在庫に応じた買い物をさせようとの狙いだろうが、まだ機能していない |
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⑤ 店内を歩きながら買うもののバーコード(EANコード)または棚札のQRコードをスキャンする。カートに溜まっていく。商品リストからも選べるが前述のように在庫とリンクしていないので、店頭に無いものも買えてしまう。tanakabuchoは現に無いものを買ってしまい、返品手続きを店員にして貰った。まだそう言う「未完成品」ですが中国だとこれが市場に出ちゃう |
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⑥ 飲料を選んだ |
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⑦ 金額は2RMBです |
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⑧ 何で払いますか? 1) 猿マネー 2) WeChatPay 3) アリペイ。今日は猿マネーを選択 |
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⑨ 支払い成功 |
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⑩ 表示されたQRコードを猿の足元のスキャナーにかざし同時に顔認識をして退店する。顔認識がきちんと動いていたかどうかは不明だ |
これで何が便利に?
ですね。新コンビニ事業をやってみたもののまだモデルは成熟せずシステム開発も中途半端でカネも尽きて来そう?
そもそもこのITで直接売上が大きく上がるわけでも無いし、小売業・流通サービス業とは何かをわかっていなければ、ITだけでは経営は成り立たない、の典型的な例。とは言えやってみなければそんなノウハウも貯まらない。次に行った時にどんな手が打たれているかどのように発想を変えているかが楽しみな新規参入者だ。何しろ昨年、2017年に始まったばかりの中国コンビニ新興勢力市場。性急な結論を出さずにもうしばらく定点観測を続ける必要が有ります!
(編集後記)
日本のコンビニに適用するならセルフレジをセルフチェックアウト機と置き換えて、セルフレジのところでスキャンを開始するのではなくそれは店内でスマホで猿便利と同じように終えていて、支払いだけを行うパターン。
レジ待ち行列を無くすためならなんでもやる、が我々のモットー。
でもレジ待ち行列はそもそもレジが無ければ発生しないのです!
まずは毎日2Fの店でセルフレジを使って改良点を山ほどリストアップしよう!
(了)