2022年6月27日月曜日

おと休パス旅202206日本海縦断の陣

 おと休パス旅202206日本海縦断の陣

5月に北海道羅臼~網走~常呂旅をやったばかりだが前回は飛行機とレンタカー、それに対し今回は道中レンタカー無し、全線呑み鉄OKの鉄道旅。
JR東日本大人の休日倶楽部パス発売に合わせての連発企画になってしまった。
東京駅からはやぶさに乗るのはお決まりだが、ところどころに必見ポイントを散りばめた今回のプランは欲張りも良いところで、何と最終日には廃線危機にある大糸線(パス外のJR西区間)にも乗ってしまう。
では金土日3日間の東日本ぐるり一周左回り旅をスタートしよう!

<初日>
金曜日

今回の旅は東京駅0908発のはやぶさ11号でスタートだが、西国分寺駅発0813の武蔵野線むさしの号があるので少し早いがそれに乗って、はやぶさには大宮駅から乗り込むことにした。
武蔵境からの下り中央線快速が209系、むさしの号も209系とまずは朝から縁起が良い。
東北新幹線の大宮駅~盛岡駅間開業40周年が前日だったが、大宮駅では大したイベントは行われていなかった。
テレワークも若干しつつガラガラのはやぶさ8号車で早速ビールとハイボール。
ガラガラのはやぶさ8号車は次週から指定席化されるので、自由に使えるのも今日が最後になった。今日の車内には客足は戻り満席で立ち席特急券も売り出されているのに、ガラガラの8号車は罪深い
幾度かガラガラ利用で良い思いをさせてもらったはやぶさの8号車「オフィス車両」現サービスは今日が最終日。終了するのははやぶさとはやてで、かがやき等ではまだ利用出来る

あっという間に仙台駅、そのまま盛岡まで乗ると八戸はもうすぐだ。こまちを先に行かせて身軽になったはやぶさだが、どうでもいいいわて沼宮内駅、二戸駅と義理堅く停まって最初の目的地 八戸駅に着く。ここも開業記念イベント無し。
24分間の乗り継ぎで八戸線久慈駅行きに乗車する。
まばらに座席は空いているのものの、ローカル線の乗客は荷物を座席に置いたりしてまるで譲ろうとする気が無い。嫌だね痴呆の田舎者は。
21分間の乗車で1225鮫駅下車。
うみねこ繁殖時期の蕪嶋神社が初日最初の課題。
昨年12月に八戸岸壁朝市に来た時も寄ったが、この時うみねこはまだ渡って来ておらず不気味に綺麗で静かだった。
期待を裏切らない今回のうみねこ群。まだ羽根が生え換わっていないヒナが沢山いて、親鳥は子育てに追われている。それにしてもギャーギャーとやかましい。
巫女さんたちも良くこんなところで働いているもんだと感心する。

Before(21年12月)

After(今回)。やはり蕪島神社はこうじゃないとね。靴底に大量の「ウン」が付きます

YouTube
うみねこ

御朱印を貰うと「祝百周年」と有った。
これは蕪島ウミネコ繁殖地として天然記念物に指定されたのが1922.03.08(大正11.03.08)と言うことらしい

ひと通りうみねこをからかった後は海沿いで昼飯。
いわみ食堂は休みだったが、けなげに開いてた定食屋かあちゃん。これほどのホッケ焼きは喰ったことが無いほどの美味トロホッケが見事。お店にいた常連地元の主婦連4人みな焼魚定食でサバ✕2人、ホッケ✕2人だったから我らの焼魚定食¥550-の注文は正解だったと思われる。味ポンが添えられるのも新鮮で迷わず☆☆☆☆☆。サバも美味かったとは同行O氏の談


今日もけなげに営業する「かあちゃん」。美味しい定食をありがとう!

鮫駅へ戻り1424発の八戸線で八戸駅へ戻る。往路と同様の車内。八戸線の乗客にはモラル教育が必要だ。
1445着 1515発のはやぶさ23号。このまま津軽海峡を越えたい衝動を抑えて新青森駅。
1529着 1542発で弘前行き普通列車。
五能線起点の川部駅に着くと、くまげら編成のリゾートしらかみが停車していた。
初代ぶな、初代青池に続いて導入されたくまげら編成だが、ぶなと青池は既に新型車両に置き換わっているので今のくまげらはおんぼろだ。
川部駅から20人ほど乗ったが10人以上が津鉄太宰治ワールド始点の五所川原駅で降りたので、その後の乗客は先頭車両に5人、2両目ゼロ人、3両目1人、4両目2人の計8人になった。
ボロいくまげらながら私的には3回の五能線でぶな、青池、くまげらと3タイプに全部乗ると言う快挙。
大人の休日倶楽部パスの威力はもの凄い。あいにくの天気で車窓はさっぱり。

リゾートしらかみ全編成制覇達成のキハ48おんぼろくまげら編成

1620川部駅発4両編成のおんぼろくまげらは雨の中を揺れながら、うめきながら走る。
こんなボロ列車でリゾート何とかと謡い座席指定券530円も取ったら、初めて乗った客は幻滅することだろう。乗って楽しい列車とか何とか騒いでいるけど、こんなことやってちゃ駄目。リピーターが来なくなる。
1804 深浦駅着。くまげらに5人残る。
宿の送迎バスでコンビニに寄って貰い、リーズナブルで露天風呂も秀逸な深浦観光ホテルに投宿。マグロ刺身、塩麹鯵のなめろう、酒(夕陽海岸)が進むが雨でサンセットは観られず。まったくもう

<初日の移動情報(金額は正規運賃)>
東京駅〜鮫駅 16,810円、643.7km 乗車時間 2h30m
鮫駅〜深浦駅 6,140円、201.1km 〃 3h47m
計 22,950円 844.8km 6h17m

<2日目>
土曜日
0850 送迎バスでホテル発
0921 深浦駅発 五能線快速に乗車、1037 東能代駅着。自由席に並んで1056発 特急つがる2号で1145 秋田駅着。軽食を購入し1208 羽越本線酒田行き普通列車。横並びのシートで退屈。西に行くに従って徐々に天気が良くなるのが救い。1358 酒田駅着、1431発の特急いなほ10号(自由席)で1550 村上駅着。天候回復!
いなほ(上)とつがる

<コラム>
村上駅と北側隣駅間島駅との間にはデッドセクションが有る。羽越本線直流電車区間の北限で、山陽本線下関駅から東海道本線東京駅や高崎線高崎駅、長岡駅、新津駅を経て長らく続いて来た直流電化の終端駅でも有る。交直流電車特急「いなほ」や臨時快速「海里」(ディーゼルハイブリッド車両)は直通するが、鼠ヶ関・酒田方面に向かう普通列車はすべて気動車で運行されている。これはJR東日本が交直両用の普通列車を持っていない為だ

村上駅前の観光案内所で三面川Tシャツを購入。
1630 宿のご主人運転の送迎バスに乗り込み、お願いして城址町の町屋、武家屋敷通りなどを巡って貰う。観光タクシーに乗らなくて済んだ。
村上城は石垣が少し残る山城で天然の要塞。再開発された町屋通りが、村上駅から1km以上離れているのがネック。駅をこっちに持って来ると良い。
酒(〆張鶴)と鮭と情けの町村上。街中にホンモノの鮭がぶら下がっている。村上の方言で鮭はイヨボヤ。天候は回復し青空が観え始めた!

近づくと匂いも強烈なド迫力

瀬波温泉「大清荘」にチェックイン。雨男は離脱して自ら去ったので今夕は夕陽を拝める。有り難いことだ。
サンセット時刻は1909。晩メシの酒は〆張鶴(花)
北朝鮮の短波を聴きながら部屋飲み。

<参考移動情報(金額は正規運賃)>
深浦〜村上 8,360円、335.9km 乗車時間 6h29m
乗った時間の割には、本日の移動距離はわずか


<3日目(最終日)>
日曜日
0730 タクシーでホテル発。ご主人が送ってくれる予定のところ従業員の欠員が出て止む無くタクシーになった
0803 村上駅発特急いなほ4号自由席に並び 0850新潟駅着。途中、坂町駅を過ぎた左側に火災で死者が出た三幸製菓荒川工場。車窓に献花台を見送る。

新潟に来たら拉致現場で横田めぐみさんへ想いを馳せなければならない。
バスで往復すると1021発のしらゆきを逃しそうなのでタクシーの運転手さんに頼んで往復で走って貰う。目的地は新潟縣護国神社。
0905 護国神社着。まずは一の鳥居方面へ進み、拉致現場を経て海まで歩く。今日は晴れた日曜の朝で現場は明るいが、曇天の夕方は今でもうすら寒いところ。ちなみに拉致現場から平壌までの直線距離は1,160km
護国神社参道一の鳥居手前のこの看板だけが当時の悲劇をつなぐ

本殿に戻りお詣りと御朱印。期間限定ウクライナ平和祈念御朱印が500両~
さすがは護国神社と言ったところか

0940 すっかり長居をしてしまった。待っていて貰ったタクシーに戻って再び新潟駅へ
0955 新潟駅着。NewDays(パスで10%引きは超お得)でお土産、昼飯と酒を追加(日本酒は呑み飽きたので以降は洋酒に遷移)
1021発 マイナー特急しらゆき4号。その前に「海里号」の出発セレモニーに遭遇
「お気をつけて!動画」はここに(YouTube)

一応しらゆき。車両はひたちのお下がり

しらゆきはまじめに走り、1210 直江津駅着。JR東日本の西端。ここから糸魚川駅経由大糸線南小谷駅までは大人の休日倶楽部パス外。きっぷを買いたいが乗り換え時間が足りない
めちゃ端のホームに停まっていて乗り換えを急かされたトキ鉄日本海ひすいライン・泊行き。たった1両

慌ただしい乗り換え時間に止む無く雪月花も撮る。トキ鉄には座れたが車内でも改札も検札も無し
1215 直江津駅発 1257 糸魚川駅着。着いたホームのこれまた端っこ4番線が大糸線のホームらしい。乗車位置の案内も1両なのか2両編成なのかの案内も無い。もう見捨てている、投げやり、やる気を失っているようにも見える。乗務員がやって来たが先の方まで歩いて行かないのでこりゃ1両だなと当たりを付ける
1310、大糸線車両が入線、案の定の1両ぽっち。幸いドアは前後共に開いたのでここぞとばかり前扉から乗り込み、計画通り進行方向右側の席をゲット出来た。ここから終着南小谷駅までは1時間以上掛かるが、無慈悲にも座れない客を大勢乗せた廃線間近のキハ120形車両は1323発でトコトコと走り出す

<車窓所感>
以前のBlog
「ウンヨウBlog: 糸魚川~静岡構造線上でわしも考えた(大糸線JR西日本区間南下大作戦) 」でもレポートしたがあの時の車での国道南下に加えて今回は列車で南下。
鉄道・道路両面から廃線是非をレポートしよう。

糸魚川駅を出発したキハ120は左にカーブを取りやがて高速をくぐるが、市街地はここまで。
1328姫川駅、1331頸城大野駅、1338根知駅ともに単なる乗降場。前回も今回も、乗降客無し。
次の小滝駅は姫川の上にホームが有る感じの、車で行ける秘境駅。JR西日本の発表では乗車客数1日2人が何年も続いている。発電所の決まった誰かが乗っているのかは不明だ。
お次は平岩駅。駅前に「謙信」の看板を掲げるホテル御用達酒屋が有る。廃屋も多く生活臭は薄い。右前方に白馬大仏が観える。姫川温泉の大ホテル国富 翠泉閣が線路脇に有るが、ここの従業員が大糸線を使っているとも思えない。
北小谷駅では山屋か仕事か、数名のおじさんが乗って来た。本日初の乗降客で有る。そう、この路線は糸魚川駅を出ると終着の南小谷駅まで誰も降りないので、座れなかったら立ちっ放しが1時間以上続くのだ。
中土駅は終着南小谷駅の隣だがまだ生活臭は無く、鎮座する発電所のお付きの駅のよう。

皮肉にも今日はこんなに混んでいる大糸線キハ120の車内

気候の良い今は、根知駅以南中土駅までの姫川沿いの車窓は良い。緑は深いし川の流れもダイナミックでまるでアトラクションだ。しかし雪や台風に見舞われれば話は別。フォッサマグナの西端上を走っているから大地震の恐れも常にある。

根知駅~中土駅間の線路は姫川沿いの崖っぷちや鉄橋を走るか、トンネルが大半を占める。そもそもヒトが住んでいる場所では無いのである。これは国道側も同じで、半分以上がスノーシェード(函嶺洞門みたいな半トンネル)を通る。即ちこちら側にもヒトは住んでいない。

ここでJR西日本発表の数字を見てみよう。
<2020年度平均通過人員および旅客運輸収入>
  • 運行距離 35.3km
  • 通過人員
    • 1987年度 987人/日
    • 2020年度 50人/日
    • 旅客運輸収入10百万円/年
  • コロナ影響前、2017年〜2019年平均の
    • 営業係数 2,693(100円の収入を得るのに2,693円掛かる!)
    • 年間赤字額 5.7億円
鉄道が廃線になると普通はバス代替。しかし書いて来たように根知駅~中土駅間の乗降を考慮する必要は無い。課題は糸魚川市街と小谷町内を直接行き来する足だが、生活圏が異なるから恐らくそれを必要とする住民は居ない。
日本海側は糸魚川市で、南側は小谷町でそれぞれ考えれば良い話だろう。
クルマでも走り列車にも乗っての所感は、根知駅~中土駅間は「海みたいなもの」。
JR東日本が終着を中土駅まで伸ばしてやるのが良いかも。でも電化しなきゃダメだしそこまでする意味も無いか。

そんなわけで色んな課題を抱えつつ1323に糸魚川駅を出た大糸線キハ120形はそれでも定刻1425に南小谷駅に着いた。

終着の南小谷駅には、まるでJR西日本区間に対する差別・あてつけの様に、ピカピカの15時発新宿行きあずさと、1516発のHB-E300系快速リゾートビューふるさとが停まっている。北の国民がソウルを見るとこんな感じなんだろう
悲哀の南小谷駅。右:我らが乗って来たJR西日本区間の気動車。中:リゾートビューふるさと(海里と同じハイブリッド気動車)、左:電車特急あずさE353系。真ん中の電柱が38度線

1500発のあずさで帰っても良かったがここはもう一丁欲張って、1516発快速リゾートビューふるさと。穂高や槍ヶ岳、青木湖・木崎湖を望める右側の座席をゲット。この列車は松本駅で進行方向が変わり篠ノ井線に入って姨捨駅に停まるのが売り物だが、南小谷駅からは数組の乗客しか乗っていない。
信州戸隠出身と言う車内アテンダントから酒(缶ハイボール)は買えたが、車内専用グッズは置いていなかった。
1715 松本駅着、急いで駅弁と信州赤ワインを買って1720発のあずさ50号千葉行きに乗車。旅の最後の特急が千葉行きとは締まらないが仕方ない

ところで、大人の休日倶楽部パス外の、直江津駅~南小谷駅間のきっぷはどうしたか?
結果的には「運賃を払わなくても乗れた」。
直江津駅ではJR東とトキ鉄間の改札・検札は無く、トキ鉄~JR大糸線間の糸魚川駅にも無かった。
南小谷駅に着けばJR東日本管内なので、パスで改札を出られる。駅の係員も無関心だ。
しかし今回は、律義に糸魚川駅~南小谷駅間のきっぷを買いました(それでも直江津駅~糸魚川駅のトキ鉄分は払っていない)。
糸魚川駅で酒と軽食を買おうと一旦改札を出た(無人だったので)。構内のセブンイレブンで買い物をし、きっぷを買った。そんなカラクリで、記念乗車券は手に入った。
人手不足でそんなとこにカネは掛けられないんだろうけど、儲からない、赤字だと嘆く前に、取るものをちゃんと取ったらどうですかね、大糸線もトキ鉄も
無チン乗車して良いのはオカマだけ

やがてあずさ50号は1942に立川駅に着いてひとり降り、2010新宿駅でもうひとり降りてこの旅は終了

<参考移動情報(金額は正規運賃)>
村上〜南小谷 6,830円、271.1km 乗車時間 4h25m
南小谷〜新宿 8,580円、295.2km 〃 4h54m
計 15,410円 566.3km 9h19m

今回もいい感じに汚れたパス

東京駅から北へ八戸駅、その後は時計と反対周りに東日本の外周を一周

3日間の総乗車距離は 1,747km 総乗車時間は 22h05m となりました。
距離は東京から日本最南端 沖ノ鳥島までの直線距離に匹敵。
それにしても3日間で22時間も列車に乗っていたとは、こりゃ凄い(笑)呆れます


ちなみに「沖ノ鳥島」。ここへは、行きたくても行けません

Special Thanks、特にかあちゃんと、大清荘のご主人に
(了)

2022年6月17日金曜日

ジャジャーン!

 

ありがとう! ロコ・ソラーレの皆さん!!