2022年5月6日金曜日

メイキング・オブ・VWビートル'73 洋子モデル

 

の車は2017年頃、懇意になった渋谷の生ピアノパブ洋子の洋子ママ(齢80歳超え)がワタクシに無償で譲ってくれようとした1973年製VWビートル、洋子婆ちゃんのワンオーナー車。

タダならば何でも貰うところだが、ここまで古い車を貰うからには幾つか尋ねた。
すると以下のようなことがわかった。
当時はここに停めてあった。洋子婆ちゃん宅、代々木の某高級マンション駐車場

  1. ワンオーナーで乗って来て、ヤナセの担当営業がずっと面倒を見てくれている
  2. マンション前に停めて有るが長いこと動かしていない
  3. 前回の車検で床の穴あきを直し、エアコンも取り外した 等々..
楽で1年位、この車を転がしたいと思った。サーフボードを積んで「えのすい」へ行くのも悪くない。駐車場や車検は、道楽なので何とでもなる。
しかし、受け取るのはいつでもいい、と言う甘い言葉に油断した結果..

洋子婆ちゃんが体調を崩して、連絡が取れなくなった。店も貼り紙がされて閉まった。

の話は無くなったんだなとしばらく過ごしていた2018年1月下旬、出張先の中国上海に居る時に、唐突に携帯が鳴った。何と洋子婆ちゃんであった。
「あんたクルマどうすんのよ。ほかにも欲しいって人がいるのをあんた優先にしてるのよ」
初耳だし、長いこと音信不通だったのに余りにも唐突。
「それよりママ、具合はどうなんですか?」
「背骨を折って寝込んでいた(!)が今は大丈夫」
「背骨!!」
「(家で折ったと聞いたような)」
「クルマは貰います、手続きをどうしましょうか?」
「クルマは車検のために(元ヤナセの営業マンA氏。今は中古車ディーラー屋)が持って行ってるから連絡して(A氏の携帯番号を聞く)」
「わかりました、ママもお達者で」

洋子婆ちゃんとの会話はこれが最後になった。
渋谷のお店が営業再開することも無かった。

速A氏に連絡を入れた。A氏の勤めるディーラーは武蔵村山市の新青梅街道沿いに有り、幸い我が家から比較的近かった。3月のとある土曜日に訪問した。

洋子婆ちゃんのビートルは裏の駐車場に停められていた。
離れて見れば程度は良さそうに見えるが

エンジンカバー内部はひどい錆だった

埃っぽい車内。いつのガソリンか知らないが、エンジンは掛かった!
床は錆びて穴が開いたものを、塞いであった

渡手続きについてA氏と会話した
A氏「ナンバーを残したいので譲渡にしなければなりませんが、ここしばらくオーナー(洋子婆ちゃん)と連絡が取れません」
私「譲渡が上手く行くなら引き取ろうと思っています」
A氏「大問題は、ガソリンキャップのキーが無いことです。以前オーナーに部屋中探して貰いましたが、見つかっていません。キーが無いことにはどうしようも有りません」

イグニッションキーとガソリンキャップのキーは別物であった!

局のところガソリンキャップのキーが見つかったら譲渡協議再開、と言うことになり、A氏に礼を言って別れた。
その後、1ヶ月ほど経った頃にA氏へ電話した。
「オーナーはどうやら亡くなられたようです。ビートルは親族の許可を得て廃車手続きを進めようと思います」
A氏としても引き取り手の無い車をいつまでもここには置いておけないらしい。
引き受けるこちらも打つ手なし、譲渡話は無かったことになった。洋子婆ちゃんのビートルには乗れなくなった。


は過ぎて2021年。プラモマニアの友人に誘発されて、少年時代以来久しぶりのプラモづくりを始めた。手始めにランボルギーニミウラ、その後はサンダーバード2号、ウルトラセブンのポインター、バックトゥザフューチャーのデロリアンⅠ、かつての愛車シビックフェリオ、紅の豚ヒコーキそしてオスプレイと乱造した。
1/350 TB2

ポインター。アンヌのフィギュアが欲しい!

作り甲斐があったデロリアン

そして重厚感満点のオスプレイ、2012普天間

さーてお次は何を作ろうかと例によってAmazon巡りをしていると何と、そのものズバリ、1973年VWビートルを発見した。パッケージの車体色もイエローだ!
部品数も手頃な、青島文化教材社 1/24 ザ・モデルカーシリーズ No.73
フォルクスワーゲン 13AD ビートル 1303S 1973 プラモデル ¥2,380-

そう言うわけでここからは「メイキング・オブ・VWビートル'73 洋子モデル」に移ります。

洋子婆ちゃん追悼も有り今回はイエローを綺麗に出したいので、サーフェサーをまず使用

イエロースプレーを吹いてクリア仕上げ。まずはツヤも及第点。ここまでは至極順調

プラモデルに付属のタイヤはピレリP7レーシング用ワイドタイヤ+アルミホイールなので、工作用のゴムタイヤを別途購入した。2個入り250円✕2セット。
ホイールキャップもVW純正風でいい感じ

別売タイヤを履いたシャーシ。このプラモは内装・シャーシにはこだわっていない。
座席下には電池ボックスの跡がそのまま残る

一旦外観の出来上がりを見たビートル。
この後ライト、サイドミラーやバンパーを付ければ完成だったが..

黒フチにシルバーの窓枠。ボンネット溝の黒線はホワイトボード用のシールを貼ってみた。ステップのつや消し黒はフリーハンドだったので正直イマイチだった。この後ワイパーを付け、窓ガラスの透明パーツを内側から接着するのだが、

内側から射し込んだ接着剤がボンネット上部とフロント窓枠の塗装を溶かしてしまった。そこへ指を置いてしまい何と指紋の跡も。

りゃいかんと乾燥を急いでから耐水ペーパーで磨き、マスキングを施した後に局所にスプレー塗装を試した(エアブラシでなく缶スプレー)。これが完全に裏目に出た。塗料はボンネットを垂れ、フロント窓ガラスも汚した。もうごまかしは効かなかった。化けの皮が剥がれる時が来た

一旦すべてのパーツを取り外してシンナーで洗い、トラブルヶ所を削った。
完成直前から大きく後退した

そしてサーフェサーからもう一度。塗装ミスをレタッチで消そうとした跡などの厚化粧はすべて剥がした。いっそのことせいせいしたが、手順としては完全なるデジャヴ

イエロー&クリア塗装Again。イップスになりそうだが、今度こそだ!

フリーハンドで手を抜いていた窓枠のマスキングも今回は丁寧に
(最初からちゃんとやれや)

今回はナンバーも洋子婆ちゃん実車に忠実に。
AOSHIMAナンバープレートメーカーを使用

余曲折有りつつも再度完成しました、ビートル'73 洋子モデル!
さぁ実車との比較はどんなもんでしょうか??



再現度なかなか高し!でしょう!(自画自賛)
同じ1/24モデルを並べて記念撮影
まかしはいけませんね、それに結論を先延ばしにするのもいけない。洋子婆ちゃんが元気なうちに譲り受けていたなら(ガソリンキャップキーの問題は有ったケド)、もう一度走る雄姿を見せられたかも知れない。
後の祭りですがこの再現プラモで追悼とさせて頂きます。合掌
(了)

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