2023年2月25日土曜日

久高島は神の島

覇でご隠居する先輩、その名も長老がこのところ通い始めたのが那覇の南東に位置する離島、久高島(くだかじま)。古くから続く祭祀や伝統行事が行われる時は外来者の行動が制限される「神の島」。そんなイメージで私的にもキャンプは遠慮していたのだが、長老の那覇市内の住まいからバスとフェリーで気軽に行けると聞いて、沖縄旅行中に久高島1泊キャンプを組み込ませて貰うことにしました。

久高島へ渡るフネは安座真(あざま)港発着で、バスは外回りで国道331号線を東進南下する「斎場御嶽入口行き338番」に乗車する。那覇バスターミナルから1時間弱、安座真サンサンビーチ入口バス停下車で片道790円。
徒歩数分で安座真港船着き場。
既に、離島の離島へ向かう感じゅうぶんの待合所

フネはフェリーくだかⅢ

チケットを購入。帰りに高速船を使う場合は差額の90円を払えば良いと言う気楽さ

フネはわずか25分で久高島へ。高台の小中学校には津波タワーが備わっていた

キャンプ場で早速空撮。東端はハビャーン(カベール岬)。天候絶好、さすがの晴れ男ふたり

まずはキャンプ場至近の食堂でフーチャン定食の昼飯

島唯一の売店。ここは挨拶の島、みんな「こんにちわ」と挨拶を交わす。挨拶も朗らかなこの少年は健康優良児

氷にビール。泡盛やカップラーメンなど簡単なものはここで手に入る

テン場。このあと風が強くなったので植え込みの陰に場所を移した。対岸は沖縄本島でそこはかとなく安心感が有る

温水シャワー(有料)をはじめとして、ビーチキャンプ場としてじゅうぶんな設備が揃っている

長老がブイヤベースのようなアヒージョと、ステーキを作ってくれる。美味!ありがとうございます!

帝都から連れて行ったクリスタルスカル(中身はテキーラ)

泡盛が進み、ラジオを聴きつつ夜が更ける。沖縄とは言え2月はまだ冬。結構冷える。
寝坊して朝起きると昨日よりは少し曇り気味。

今朝も長老謹製の目玉焼き乗せカレーを頂く

出港は午後なので、島巡りの散歩に出る。大事にされているようで猫も沢山いる

フボー御嶽入口。厳重に立ち入り禁止

イシキ浜は聖地で遊泳禁止。神の島なので色々と制限が多い

浜に有るこのカラフルなブイは、道に戻れる目印

港(船着き場の徳仁港(とくじんこう))周辺には色んな見どころが有ります

島巡りのアシも色々揃ってます。左は電動トゥクトゥク。これ欲しい!

休憩中の猫と路上で交尾を迫る猫

キャンプ場へ戻りトマト&かきたまラーメンの昼飯の後、撤収して船着き場へ。
フネは順調、バスも順調。那覇へ戻った後はセンベロへ繰り出し、

カツベロを堪能させて頂きました!

那覇から至近の離島リゾート久高島。長老、今回は何から何までお世話になりまして、ありがとうございました。またお願いします!
久高島の皆さん、港の皆さん、ありがとうございました!
(了)

2023年2月22日水曜日

沖縄本島のダムカードをコンプリート!

 足掛け3回、4年と3ヶ月。前回の2020年3月はコロナ始まりでダムカード配布休止と言う「それは無いでしょ」の仕打ちで大願成就出来ず、その後は引き続きのコロナ禍で足は遠くなりようやく行って来ました沖縄旅行、しかもANA70年記念片道7千円チケット。今回は旧友との再会と久高島キャンプ、そしてダムカードコンプリートの充実旅となりました。

本島ダムカードを北(やんばる)からご紹介

①辺野喜ダム
【画像クリックでMapへ(以下同様)】やんばる最北端、北部5ダムのひとつ

②普久川ダム
同じく北部5ダムのひとつ。ダム湖名は「フンガー湖」。方言ではなく普段の呼び名がそのまま

③安波ダム
同じく北部5ダムのひとつ。ここは公募でクイナ湖。この辺り国頭村はヤンバルクイナの棲息地

④新川ダム
同じく北部5ダムのひとつ。今回ゲットの記念カード。もちろん通常カードに加えてダムツーリズム・インフラカードも貰えました

⑤福地ダム
ここは2回目の訪問。統合運用されている北部5ダムの親玉

「北部5ダムを統合運用」
沖縄本島北部の福地、新川、安波、普久川、辺野喜の北部5ダムは調整水路(トンネル)で結ばれて統合運用されている。貯水容量の大きい福地・安波ダムが「貯留ダム」、貯水容量の小さい新川・普久川・辺野喜ダムが「取水ダム」。取水ダムの水を貯留ダムへ貯留し、効率良い運用管理を行っている

前回訪問時にゲットした統合運用開始30周年記念カード。上記5ダムはこのようにつながっています

⑥大保ダム
やんばる9ダムのひとつで福地ダムに次いで大きい。やんばるは水の豊富なところです

⑦羽地ダム
西海岸を走る国道58号線にほど近いダム。河口からわずか3.1km地点

⑧漢那ダム
舞台はだいぶ南下して、ちょうど本島のど真ん中辺り、東海岸寄り。高速の車窓から観えます

⑨金武ダム
漢那ダムのすぐ南側、元々の名称は億首ダム

⑩倉敷ダム
地理的にはだいぶ南に来ました。ダム周りに広い公園が有ります。大保ダム以南の水はこのダムに貯水されます

⑪金城ダム
本島最南端、最後のダム。市街地に有り首里城に隣接

以上全11ダム。沖縄本島は意外に大きくて、①辺野喜ダムから⑪金城ダムまでは高速利用で106km有る。やんばるへ行くほどダム間は山道で離れているから、那覇出発で11個制覇して戻ろうとすると350km位は走ることになる。ダムカード配布時間も管理事務所のワーキングタイムに限られているから1日で回り切るのは無理。ダム湖畔にキャンプ場が併設されているところも有るからキャンプ好きはそれも良いでしょう。
くれぐれもハブにはご注意を!
祝!沖縄本島全ダムカードコンプリート!!
達成:2023年2月
(了)

2023年1月30日月曜日

ゆるキャン△

若者キャンプ仲間を連れて真冬の青少年強化合宿、即ち耐寒キャンプへ行くことになった。 

行きつけの標高1,250㍍の山ん中でも良いんだが今の時期は渓流釣りが出来ない。奥多摩は軒並み冬季休業中だ。
道志のキャンプ場が候補に挙がったがどうにもそそらず、富士五湖付近を探していると辿り着いたのが本栖湖畔の浩庵キャンプ場。 サイトから予約してみると空きが有った。
普段はプリミティブなキャンプを追求する我らだがこんな時くらいはミーハー的キャンプも宜しいのではないかと考え、冬富士の眺望も期待してゆるキャン△の聖地にチン入することにした。

♂3名、クルマ1台、タープ✕1、テント✕2張りで7,000円だった。チェックイン時刻は土曜日の14:30~15:00と指定された。

午前中に買い出しを済ませ、昼過ぎに自宅を出発すると土曜日の中央道は順調で14時に現地に着いた
到着時の富士山。1000円札裏の逆さ富士の場所

ここからの行動はこうだった。
  • 14:10頃に受付へ聞きに行くと管理人さんから、14:30の数分前に代表者ひとりで来てくれと言われた
  • 14:25過ぎに行って説明を聞く
  • 代金7,000円を前払いし、駐車票を受け取る
  • 湖畔に降りて左側は転回しにくいドンツキ。右は車で行けるとのこと
  • 湖畔に降りる道のゲート・チェーンが掛かっていたら自分で外すように
  • 20時門限でチェーンを掛ける
車に乗ってゲート・チェーンを外し、下に降りて一旦車を停める。
場所取りに必要なものを個々数個ずつ持ってテン場を物色すると、湖畔に向かって右側に程よいスペースが有った。湖畔なので少々傾斜が有るが平らなところはみな押さえられていた。車を横付けして、広めに贅沢なテン場を構える
テン場風景

タープを張って火を熾す。マキの持ち込み自由

陽が暮れると冷え込む。夕方から気温は氷点下に

焚き火と炭で暖かい氷点下の晩餐。
3人で焼肉1.8kgを平らげ、酒を呑み、ラジオを聴いて22時頃に寝る。テント床には個々に防寒シートを敷き、冬用シュラフを拡げてすぐに寝られる準備をしておいた。朝の氷点下10℃を迎え撃つ。

眠れた者眠らなかった者はそれぞれ。明け方はさすがに寒く他のキャンパーたちもみなのそのそと起き出して火を熾し始める
火を熾しながら日の出を待つ。明るくなり始めてから日が昇るまでは思いのほか時間が掛かる

若者ふたりは山道を上がって1000円札裏の逆さ富士を狙った。残念ながらさざ波が有って逆さ富士にはならず

1000円札裏の撮影ポイントはここ、中ノ倉峠

夜明け前の最低気温は氷点下13℃だが陽が出ると途端に暖かくなった。天下の晴れ男、今日も快晴!

テン場に放置して寝たものは軒並み凍った。鍋の氷の厚さは2cm以上有った。ポリタンクの水も凍った、クルマに積んであった500mlのペットボトルもみなシャリシャリになった。そんな中で寝たんだからまずは大したもんだ。

若者の山登りの間にフランスパンを三等分して昼飯用のサンドイッチを作る。キュウリのスライスとポークソーセージの輪切りを持参してクーラーボックスに入れておいたが自然冷凍されていた。固くなったチューブバターを絞り出して簡単に焼いたパンに塗り、キュウリにマヨネーズ、ソーセージにケチャップと寒くてもいつも通り芸は細かい。塩も振る。ホイルで包む。

朝飯はカレーヌードルライスに目玉焼きでがっつり。レトルトカレーも持っていたが若者どもは大食いなのでカップ麺を選択した。
喰い終わりしばし休憩の後に撤営。チェックイン14:30、チェックアウト10:00と滞在時間は短い(17:00までのレイトチェックアウトにも出来る)。
イベントは寒さ、焚火、メシのみだ

快晴、天気も良く撤収もスムーズ。コーンが車道とサイトの境目。右奥の王蟲みたいなテントの場所に張ると傾斜なく平坦

計画通り10時前にキャンプ場を発つ。受付の売店ではゆるキャン△グッズを売っていた。国道300号線甲斐いろは坂を通って身延山へ行こうかとも思ったが、折角なので富士五湖を制覇して戻ることにした。

車を富士宮方面に進めてまずは田貫湖。五湖に比べるとこじんまり落ち着く湖で、何となく富士山もおとなしげだ。
キャンプ場を視察し、次は精進湖。湖畔北側の他手合浜には車で降りられる。相当チキンなドローンの氷上着陸にトライ(動画)←音が出ます、注意!

西湖北岸へ回って野鳥の森公園の樹氷(?)
野鳥の森公園の妙な展示物

そして風穴付近の命の看板
ここまで本栖湖、田貫湖、精進湖、西湖と4湖制覇。河口湖はメジャーなのですっ飛ばして山中湖へ向かう。山中湖へ向かうに連れて天候が悪化する。ホントは山中湖からの富士山が好きなんだが
吹雪の山中湖。凍った湖面から吹き付ける風がメチャ冷たい。そのクソ寒い中で昼飯のサンドイッチを喰う。ゆで卵も冷たかった。このキャンプ行で一番寒かったような

(参考)晴れた日の山中湖からの富士山。右上はドロンジョ(Myドローン)

帰路は山中湖平野から道志みちを選んだ。途中の道の駅どうしにはまだライダーは少ない。
車は多摩ニュータウンを通って帰宅。
たまにはミーハー的キャンプ場も悪くないナ、と感じた湖畔の耐寒キャンプでした
綿密なり行動指令書。凍死者出ずにスミマシタ
また行きましょう!
(了)

2022年11月29日火曜日

「廃線前の北海道」最果ての乗りつぶし旅

--はやぶさ1号で上陸--

<初日>
サッカーW杯初戦でドイツに金星、その興奮冷めやらぬ早朝から今回の旅はスタートした。
0532最寄り駅の初電に乗車、
0550JR武蔵境駅から中央線快速。大人の休日倶楽部フリーパスをここから使い始める。
この列車が遅れちゃうと元も子もないと言う運命の快速。過去2回は遅れずに0632東京駅発のはやぶさ1号に間に合っている。
気温11℃で暖かい朝。
0623定刻に東京駅に到着。ほっとしつつも足早に、はやぶさ1号のホームへ移る。パス10%OFFのNewDaysでサントリーReserve水割り缶を買い、
0632はやぶさ1号出発進行。

今日は平日なので8号車オフィス車両の指定を取ったが今や有名無実化、普通の車両になっていてこれじゃWeb会議なぞ出来やしない。オフィス車両を遊ばせておくわけにも行かないだろう、何せこのはやぶさは8号車を含めて全席満席である。
全国旅行割に今年最後の大人の休日倶楽部パス設定週。
最果ての列車も混雑覚悟の旅になりそうだ。

1053新函館北斗駅に到着。乗り換えは案の定の阿鼻叫喚。乗客平均還暦超えで北斗9号は走る。

新函館北斗駅のこれは毎度嫌な時間。元は無人駅とは言えそもそもホームが狭すぎるんだよ、設計ミス極まりない!

ここで今回の旅程をおさらいしておこう。知る人ぞ知る、マニア垂涎の塗りつぶしルートである。


初日は帝都をはやぶさで発ち、釧路経由釧網本線で網走まで1,592.2kmを乗る耐久戦。
これをクリアしたら2日目は千切れている根室本線の代行バスを使って新得駅まで行く。

まずは初日のトピックスから始めよう。
  • はやぶさ1号が青函トンネルに入る直前の「青函トンネル入口広場」を車窓撮。遠くに津軽海峡が観える。ここでドローンを飛ばしたのは竜飛岬石川さゆり・太宰治旅の時だった
  • 新函館北斗駅の混雑するKIOSKで「鰊みがき弁当」を購入、これは美味かった!
    お供の酒は函館慕情。乗り換えの南千歳駅ではほとんど何も売っていなかったので、新函館北斗駅で買っておくのが正解
  • かつてトワイライトエクスプレス札幌駅行きを早朝に上から眺めた長万部駅北側の跨線橋は撤去されていた。跨線橋から北を観ると左は函館本線山線、右は室蘭本線の分岐点、素晴らしい景観だった。老朽化もあろうが、葬式鉄が集まる前に片付けたんだろうきっと
  • 北斗9号が通過するニッポンの秘境駅No.1「小幌駅」を車窓撮。No.1を認めざるを得ない駅。飯田線の金野駅と同じく、普通(各停)列車にも通過されます
  • 南千歳駅で石勝線0km標を撮影後、おおぞら7号で釧路までのんびり。翌日泊まる新得駅にも停車
  • 1839釧路駅着、買い出しに走るが駅弁屋は閉まっている。構内のセブンイレブンで小弁当に酒、つまみ、北海道時刻表を購入し、
  • 1852発釧網本線4736D キハ54-521は花咲線カラー
釧路駅発網走駅行き4736D

心配していたが楽に座れた。平日で良かった。以下、釧網本線内の乗客の出入り
  • 1856東釧路駅 2人下車2人乗車。乗っていためっちゃ美人(多分マスク美人では無い)はここで下車
  • 1903遠矢駅 1人下車、今12人
  • 釧路湿原駅 0,0
  • 細岡駅 0,0
  • 茅沼駅 0,0
  • 1945標茶駅、かつてSL冬の湿原号で来た駅。6人下車、みんなヤング
  • 磯分内駅 0,0 どうやらもう一人いたみたいだ、7人居る
  • 2009摩周駅 4人下車(内、ヤング2人)
  • 2033川湯温泉駅 女子が+1
  • その後の乗り降りは無し
  • 2200網走駅着 最後は4人だった。夜汽車で網走駅。寅さんとリリーの初めての出逢いを思い出すがもちろんこの4人にそんな浮いた話は有るわけもなく
長い釧網本線。足を投げ出してウトウトさせて貰いました

--網走駅22時--

2200に真っ暗な網走駅に放り出されると、目に入るのは駅前の東横インと左手のすき家しかない。
寒さを内側から暖めるしかない、すき家で命拾いした、なんてのは大げさで気温は5℃。むしろ暖かい網走の夜だった。ビールと牛丼生卵味噌汁の後は徒歩5分で民宿ランプ。
厳冬期に着いたならば、すき家はもちろんシェルターに違いない。

民宿ランプで充実のひと晩の後、翌朝は0730チェックアウトで網走駅へ向かう。気温は昨晩と同じ5℃で暖かい。
朝めしにランプパン。ランプの女将さんは可愛らしかった、また逢いに行きたい女性のひとりになった。

ランプから網走駅へ向かうにはデンジャラスな踏切を渡る必要が有る。

石北本線に加えて車庫の線路が2本有るのに遮断機が無いDANGER ZONE

ちなみにランプには「音鉄部屋」が有る。線路に一番近い民宿の部屋12畳が、おひとり様泊にも提供される。泊まったところでしかし、音鉄するほどの列車も通らないだろうに。

ここでJR北海道の廃線危機についてもおさらいしておこう。
  • ①乗って来た函館本線の新函館北斗駅~長万部駅区間も廃線候補だ。但し貨物の幹線なので、旅客輸送は無くなっても線路は残る
  • 釧路駅~根室駅の花咲線は前回乗った。海岸線を併行道路と並走している
  • ②昨晩乗った釧路駅~網走駅の釧網本線
  • ③これから乗る石北本線も、北見以東の存続は怪しい。遠軽、もしかしたら旭川までに縮まるかも知れない
  • ④留萌本線は石狩沼田駅~留萌駅間の来年3月廃線と、3年後の深川駅~石狩沼田駅間廃線が決まっている。今日これから乗りに行く
  • ⑤滝川駅からの根室本線は既にもう6年間も、途中の東鹿越駅~新得駅間が代行バスになっている。もはや時間の問題だ。途中の観光地富良野へは旭川から富良野線で行けるが、
  • ⑥その富良野線も廃線候補である
  • ⑦明後日は岩見沢駅から苫小牧駅へ室蘭本線を南下するが、幹線の千歳線と併行しているのでここも廃線候補
  • ⑧日高本線は鵡川駅〜様似駅間が廃止されてから久しいが、短い盲腸線となった苫小牧駅〜鵡川駅間の21年度の営業係数は1,185(100円稼ぐのに1,185円掛かる)。これもお荷物。お荷物は捨てるために有る。3日目に乗る
  • 函館本線山線は以前臨時特急ニセコで乗ったことが有り今回のルートからは省いたが、北海道新幹線開通で廃線が決まっている
JR北海道は全線赤字で北海道新幹線が札幌開業すれば赤字が更に増す。ローカル線の足切りを表明しているが、これら路線を廃線廃駅したところで赤字削減額はたかが知れている。
つまり、北海道ドリームを掲げる新幹線札幌延伸はローカル線どころではない巨額の赤字を連れて来る。
それでも新幹線札幌延伸にこだわるのは緊急時に道民を本州へ避難させるルート確保でこれは国策。即ち北海道は国鉄にしてしまうのが分かりやすい。同じく民営化された郵便局はどうだろうか、恐らく北海道では赤字で、全国でその赤字を埋めているに違いない、鉄道もJR北海道にサバイバルさせるのではなく同様の考え方で良いはずだ。

熱くなったが閑話休題、今回の乗りつぶし旅では上記①~⑧の路線を3泊4日で一気にやっつける。これによりJR北海道の廃線候補路線を完乗することになる。どうか最後までダイヤ通り走って下さいJR北海道様!

本日の乗車距離 1,592.9km
新規完乗路線 釧網本線

--石北本線開業90周年--

<2日目>
0745民宿ランプをチェックアウト
0806網走駅発6082D キハ183形特急大雪の発車を待っていると、北見駅0647発網走駅0753着の普通列車4521Dが着いて数十人の高校生が吐き出された。
ひとつしかない駅の改札に、かわいそうに並んでいる。ローカル線の鉄道利用客の主役は高校生。学校がスクールバスを出せば列車は要らなくなる。

網走駅高校生の行列

遠軽駅でスイッチバック、白滝駅を通過し大雪は難所石北トンネルへ登る。
石北本線開通90周年の記念すべき年。キハ183形特急大雪はあえぎながら登る。

旭川駅乗り換え、電車特急ライラック22号→深川駅前でラーメンの後に留萌本線に乗車。
今日は金曜日なのでさほどでも無いが、週末は「葬式鉄」が溢れておぞましい光景になる。そんなことも考慮して、留萌本線乗車は平日に組んだ。
深川駅〜留萌駅を結ぶ留萌本線沿いには通行料無料のバイパスが整備されていて、留萌本線廃線準備は整っている。

始点深川駅1328発4927Dの次の駅が難読駅北一已(きたいちやん)。その後はさほど魅力的な車窓も無いまま、一両編成のキハ150形は1425終着の留萌駅に到着する。この列車は折り返し1617発4928D深川行きになる。

市内観光に充て、留萌港近くに新しく出来た道の駅。観光案内所でマンホールカード。ドローン空撮して1545位に駅へ戻ると既に10人以上が改札待ちに並んでいた。週末はホントにおぞましいことになろう。発車10分前位に改札。座って動き出すとたちまち車窓は闇に包まれた。北国の冬はつるべ落とし、乗り鉄も悪くないが暗くなるとまるでつまらない。

しかしこの日の道中はまだまだ長く、何と深川→滝川→東鹿越→代行バス→新得まで行かなければならないのである。ケツにムチを入れる。

深川駅から滝川駅は特急ライラック。
滝川駅1757発根室本線快速狩勝3483Dはキハ40-1707。 

サボの「快速」の文字が素敵

--快速狩勝--

赤平駅 5人下車
茂尻駅 2人下車
芦別駅 19人下車
上芦別駅 3人下車
今7人(家族連れ3人含む)
富良野駅 3人乗車で10人
布部駅 プラマイゼロ
山部駅 家族連れ3人下車
下金山駅 1人下車
金山駅 1人下車(翌日明るい時に見たら川の名が砂金川。金が獲れたんだね、ここは)

終着東鹿越駅まで残ったのは可愛らしい女子(仮称:A子)ひとりと我々おじさんふたりの計3人だった。
乗り降りの計算が少々合わないが残ったのは3人だった。

A子は手慣れたふうに、駅前に待っている代行バスの後ろの方に乗り込んだ。
代わりに折り返しの列車3488Dに乗り込んだのは初老のご婦人ひとりとジャージ姿のJKふたり。彼女らは逆ルートで東鹿越駅へ運ばれて来ていた。ひとけの無いこんな暗がりに若い女子なんて都会じゃあり得ない。
東鹿越駅で待っている代行バス109便

バスはふらのバス(株)の大型観光バスで、災害で線路が千切れた2016年からもう6年以上この任務に就いている。こんな使われ方は観光バスとしては不本意だろうが、コロナ禍で稼働が減ったことも有り、駐車されたまま錆びつくよりは良いだろう。

なんとなく嬉しそうに走るバスの車内で気づいた。音が静かで快適だ。リクライニングも出来る。
ガトゴトガタピシプシュプァーン、幾度となく繰り返される「ワンマン運転は一番前の扉からお降りください」放送その他、五月蝿かった騒音が何も聞こえない。
乗り換える手間はあるもののもしやこの代行バスの1時間は、ディーゼルカーの角張った座席に揺られて来た乗客達のひとときの安らぎになっているのかも知れない。

--ぽっぽや--

幾寅駅(映画『鉄道員(ぽっぽや)』の「幌舞駅」)、落合駅と立ち寄る。乗降客はもちろん居ない。
快適なバスの車内

落合駅前が道道1117号線の起点だった。北海道は広い。道道の番号が4桁も有る。
鹿が危うくバスに轢かれそうになる。
暗い狩勝峠国道をバスはひた走る。
小一時間の乗車で、見えて来た町は新得。
新得駅前にバスが着くと、一緒に乗って来たA子は電車に乗るために駅舎へ入った。彼女はこの先どこまで行くんだろう。

駅から徒歩数分の宮城屋旅館に投宿。本日ラストのバスが快適だったお陰で(?)わしらにも元気が戻っている。

石油ファンヒーターで暖かい部屋に荷物を置いた後は徒歩5分のセコマで明日の朝めしを調達。夜のセコマもこの町では貴重なオアシスだ。
駅方向へ緩やかな坂を上り、旅館並びの居酒屋で焼き鳥(豚バラ)、鰊、シシャモと酒の晩飯。
新得出身のご主人と札幌出身の女将、気のいい夫婦で楽しかった、根室本線廃線の話をすると「確かに石勝線だけ有れば困らんな」とご主人。聞くと車で1時間の帯広は生活圏だが、ばんえい競馬は未経験だそうだ。
良く呑んで23時の閉店に合わせて退散。暖かい部屋でよく眠る。

本日の乗車距離 527.5km
新規完乗路線 石北本線、留萌本線、根室本線
累計 2,120.4km
旅はいよいよ佳境へ。後半3日目と4日目(最終日)のプランはこちら

--北海道の重心地--

<3日目>

朝めしはセコマクリームパンにソフトカツゲン

カツゲンはいつも胃に優しい

07:30宿を出て、駅前を散策の後に0759発の代行バス104便に乗る。

北海道を海岸線で切り取って指の先に乗せるとそこが新得と言うことか。もちろん北方領土も入れるんだよね

ありがとう、ふらのバス

乗客はわしらの他に旅行者ひとり、通勤客かな?のおじさんがふたり。
昨晩は寄らなかったサホロリゾートが最初の停留所(乗降客無し)、落合駅(婆ちゃんふたり乗る)、幾寅駅(その婆ちゃんふたり降りる)。婆ちゃん達は駅のお掃除でもしてくれているんだろうか?

昨晩は真っ暗闇で誰一人見かけなかったが、明るい今朝も道中また誰一人見かけない。
定刻に東鹿越駅着。みんな降りて停まっている車両2478Dに乗り込む。

線路が千切れて始終点になり何やら脚光を浴びた感だが、実際は路線有数の過疎駅、ほぼ秘境駅

--おにぎり茶屋--

昨日は滝川駅から根室本線を南下して来たが、今日は富良野駅で降りて富良野線を旭川駅まで北上する。
富良野線728Dはキハ150形2両編成。美瑛や富良野の観光地を擁する富良野線も廃線対象だ。コロナ禍が無かったとしても観光客だけじゃ線路はもたない。新千歳空港や札幌駅から観光バスの方が便利だ。
富良野駅、7分の乗り継ぎで旭川行きに乗車。
1038美瑛駅。前回はここからノロッコに乗った。
1110旭川駅着。
宗谷本線比布駅にちょっと寄り道。
1235に旭川駅へ戻り、旭川駅前ビルのおにぎり茶屋で感動の昼めし。無条件でお奨めします!
このおでん定食が何と600円!本当は白ご飯だが、白ご飯欠品でいなり3個になった

駅へ戻りKIOSKで買い足しの後は1400発3026M、この旅3回目の特急ライラックで岩見沢駅。
時刻表では室蘭本線への乗り継ぎに6分有るはずが実測約2分で跨線橋を走らされる。まったく、何時間かに1本しか列車を走らせないくせに何故ここだけ急がせるのか訳が分からない。

室蘭本線はまたもキハ150 1470D。こいつにはもう乗り飽きた。
ノーザンファームの安平、早来を通って苫小牧駅。漆黒の闇を日高本線苫小牧駅〜鵡川駅往復キハ40-1785(2231Dと2232D)。そしてこの旅最後の普通列車、苫小牧駅〜東室蘭駅は448D生きた化石キハ143-153。やがて1953東室蘭駅に到着!

3日前に新函館北斗駅に上陸してから北上の後は南千歳駅からほぼぐるりと左回り一周して事実上ここ東室蘭がゴール。達成感は素晴らしいが普通列車の長時間乗車を舐めていた。長く乗るには特急のリクライニングシートが要る。

真ん中辺のループをぐるり左回り完乗。道内であと乗っていないJRは学園都市線と函館本線渡島半島の支線のみ

初日は民宿、昨日は旅館。今日は温泉大浴場付ホテルにグレードアップ。
最終目的地への到着時刻も、初日2200から日に日に1時間ずつ縮まっている。これはいい、だいぶ楽だし気分も上がる。
旅行割でホテル代は半額近くになり、1,000円の北海道クーポンも貰えた。

至近の居酒屋でホッキ貝刺し、タコ刺し、特製イカゴロ刺し、室蘭焼き鳥にザンギ。酒は根室「北の勝」と最北の酒蔵国稀酒造の「国稀」。美味かった。いつかさっちゃんと一緒にザンギを食べたいものだ。
カラオケスナックへ行く元気は何故か無く、珍しくおとなしく沈没。

本日の乗車距離 461.7km
新規完乗路線 富良野線、室蘭本線、日高本線
累計 2,582.1km

--日本一の坂--

<4日目>
ホテルの朝食の後、0900開店に合わせて駅レンタカーへ。レンタカーは大人の休日倶楽部パスのオプションで込み込み5,000円と安い。それに室蘭は3時間で制覇出来るこじんまりとした街で、最終日の息抜きにちょうど良い。

室蘭ツアーはこんな感じだった
0900 駅レンタカー屋発
0920 地球岬。スカッと晴れてたら素晴らしいんだが、あいにくの曇り空

水平線は少~し丸いかな
0940 JR室蘭駅
0950 旧室蘭駅(観光案内所)
徒歩で日本一の坂
何故か日本一の坂。後ろの廃屋が倒れて来そうで怖い

1005 戻る。旧室蘭駅でD51と館内資料の見物
1030 白鳥(はくちょう)大橋展望台

なかなかの景観。橋が赤けりゃサンフランシスコ

1050 道の駅
1110 白鳥大橋を渡る
1125 中嶋神社お詣りと御朱印

立派なお宮さんでした

1145 小がね 輪西店(12時に予約しておいた)
室蘭カツどんはご飯と鍋が別に出て来て豪華感が高い

やっぱカツどんはお昼のホームラン王ですね!

1220 発
1230 レンタカー返却
1339 東室蘭駅発 北斗12号に乗車。ここから東京駅までは特急と新幹線に「運ばれるヒト」
1540 北斗12号車内で聞いた競馬ジャパンカップは外れ
1552 新函館北斗駅着。最後のビールはサッポロ SORACHI1984ホップ。最終レースも外れ
1620 〃 発 新幹線はやぶさ40号
1900 サッカーW杯コスタリカ戦キックオフ。新幹線のWi-Fiはパンパンだ 
2032 東京駅着
...コスタリカに黒星...

最終日の乗車距離 1,034.1km
累計 3,616.1km。
26,620円の大人の休日倶楽部パスでkmあたり7.4円となりました。
高いか安いか、試すなら、線路が有る内に行きましょう!

降雪積雪の前に済ませて良かった廃線候補完乗。
以上でモノ好き道中終わり、正確な運行をありがとうございました、JR北海道殿!

今回もきっぷはいい感じに汚れました!

(了)