The DAY-1
2020年1月24日(金)
東京~飛行機で釧路~花咲線で根室(泊)
Cabin crew, prepare for landing,
1月24日(金)9時24分、搭乗中のJAL541は機長のアナウンスと共にたんちょう釧路空港への降下を開始した。羽田〜釧路空港間のフライト時間は1時間15分と短い。しかも早割で1万円だ。
機内アナウンスでアイヌ語のあいさつ「イランカラプテ」の紹介を聞く。アイヌ語で「こんにちは」、「あなたの心にそっとふれさせていただきます」という想いが込められた言葉で(宮古島のニフエーデービルみたいなもんさね)、北海道を挙げての「おもてなし」キャンペーンが始まっているそうだ。
ANA便で先着していた最果て旅の同士おじさん2名(呼称:Mr.オカップとMr.ハッピー)と合流。連絡バスは釧路空港を10:01に出て10:43釧路駅に到着。釧路駅→根室駅2,860円のキップを買うとちょうど快速ノサップの改札が始まった
国鉄時代は団地だった?かのような釧路駅 |
【ミッション1「駅弁予約大作戦」】
JAL便が到着する間を利用してハッピーが駅弁を予約する。今日の往路は途中の厚岸駅ホームで氏家待合のかきめしを受け取り、明日の復路は根室駅8:24の列車に乗る直前にタイエーのやきとり弁当と焼さんま寿司を駅で受け取るのだ11:12 花咲線 釧路駅発 根室駅行き キハ54 525 1両編成の快速ノサップは結構な混みようで、地元の人々と観光客がほぼ半々、早めに座席を取って正解。この日は札幌からの特急スーパーおおぞらが大幅な遅れで接続しなかったが、乗り継ぎ客が乗ったら更に相当混んだことだろう
こじんまりと可愛らしい快速ノサップ。これから根釧台地、地球探索の旅に出る |
車窓からはエゾ鹿がそこかしこに屯(たむろ)していて、上尾幌付近はサファリパークのよう。たまーに来る列車を、あれは何だろう、とばかりにじっと眺めている。ヒトも鹿を見るが鹿もヒトを見る。車窓にはクルマもヒトも無く、動いているのは鹿と狐のみである
11:58 厚岸駅ホームで予約しておいた氏家かきめしを、ハッピーが可愛い配達女子から受け取る。車内で頂くと、ごはん一粒一粒に味が染みていて、全くもって美味。ミッション1の1/2クリア!
牡蠣どっさり厚岸氏家待合の絶品かきめし |
12:14 車窓左にオオワシの群れ。列車は徐行してくれる
12:18 故モンキーパンチ先生の出身地と言うことで茶内駅には銭形警部が、隣の浜中駅にはルパン3世がいた
故モンキー・パンチ先生は浜中町出身だった |
根釧台地を一所懸命登るキハ54 525が愛おしい。
黙々と東進した快速ノサップは日本最東端の無人駅 東根室駅を通過、やがて日本最東端の有人駅である終着根室駅に到着。
まずは隣接するインフォメーションセンター(観光案内所)へ行き、レンタカーを借りて、「日本最東端ツアー」の始まりだ!
【ミッション2「最東端コレクション」】
1/24(金)13:22 根室駅到着後の動き
① トヨタレンタカーへ電話して迎えに来てもらう。翌朝の返却時刻は8時
→クリア
② 根室駅隣接の観光案内所で「四極踏破証明書」「東根室駅到達証」をゲットする
→クリア
③ そば屋の裏にポツンとある、根室本線終点看板へ行く
→クリア
ドンツキ好きのワタクシとしては、函館駅、稚内駅、留萌駅、室蘭駅、旧増毛駅、旧夕張駅、鵡川駅、新十津川駅、ここ根室駅と明日行く予定の様似駅で北海道ドンツキが全部揃うのが嬉しい。もちろん本州最南端の枕崎駅ドンツキも制覇済み |
④ 振興局林務課で治山ダムカードをゲットする
→クリア。ついでに市役所で正規版(セルフ版じゃない)四極踏破証明書を貰う。
オホーツク振興局に続いて北海道治山ダムカードは2枚目。全27ヶ所を果てから攻めている
⑤ 宮司が居る日本最東端の神社「根室金比羅(ことひら)神社」で御朱印をゲットする
→クリア。初穂料は500円。この辺から雪が強く舞い出す
⑥ 根室港臨時ターミナルで北方領土連絡船えとぴりか号を視察
→風雪激しくなり港に車ごと落ちそうなので捜索を断念
⑦ JR本州最東端の東根室駅(無人駅)
→風雪の中をクリア
⑧ 日本最東端珸瑤瑁(ごようまい)郵便局でポスト型はがきを送る
→クリア。ついでに並びにある日本最東端の自己コンビニ板垣商店で最東端ガラナドリンクをゲット。PayPayで払えた
超難読地名「ごようまい」。納沙布岬と歯舞群島の間の海峡の名も「珸瑤瑁水道」 |
→命懸けでクリア
北方館にはたくさんの望遠鏡が設えて有り、北方領土の島々を大きく観ることが出来る。貝殻島の灯台などは距離3.7km、望遠鏡なら手が届きそうなほどに近い。納沙布岬沖わずか3.7kmまでロシアに支配されていると言うのが、実は一番怖いところなんだろう。
暗くなり始め、命の危機も感じ始めたのでホテルチェックインを急ぐことにして早々に退散する
⑩ ヲンネモトチャシ跡(日本百名城の第1番目)→断念。訪問証は観光案内所でゲット済み
11 根室市豊里 北方原生花園→断念。行ったところでもう真っ暗、閉園だったはず
12 ホテル ねむろ 海陽亭にチェックイン→クリア。フロントの青年にお奨めのの居酒屋を聞き「和風ダイニングひだまり」へ繰り出す
お奨めありがとうの大正解。宿とは片道徒歩10分、根室港からの北風が吹き抜けるメインストリートを下り切ったところにある。
赤ガレイ刺身、甘海老唐揚げ、巨大ザンギ、コマイ、ホッケ、北の勝に締めのエスカロップで根室の美味を満喫且つリーズナブル
凍てつく街、根室 |
The DAY-2
2020年1月25日(土)
根室~釧路~SLで標茶~スーパーおおぞらで帯広(泊)
ねむろ 海陽亭の朝飯は超豪華、勝手丼、朝蕎麦、根室鍋、炊き込みご飯(蟹)、雑炊(蟹)等々なんでも有る。7時から7時半の朝飯の後、クルマ5分で根室駅。ガソリンを入れてレンタカーを返して、7時50分には根室駅改札前にスタンバイした。
根室駅 8:24発釧路行き各停は風光明媚なポイントを徐行してくれる観光列車。快速ノサップや快速はなさきに比べると所要時間が15分くらい余計に掛かる。運良くルパン3世のラッピングで入線した。改札を待って座席を取り(1両編成の車両中央部にテーブル付き4人席が有った。この車両は座席を回転出来ない)、しばし東の果て根室との別れを惜しむ。
8:15 タイエーからやきとり弁当と焼さんま寿司の配達が駅に届く!
→ミッション1、全クリア!
迫力の銭形警部 |
地球探索鉄道の冠を付ける花咲線(根室本線の、釧路〜根室間の愛称)はその名の通りジオの見どころが満載だ。根室駅から落石海岸、別寒辺牛湿原、厚岸湖、厚岸湾と圧巻の景色が続くが‥しかし2018年度の営業係数は781(100円稼ぐのに781円掛かる)で道内ワースト5の辺り。皆さん乗って下さい、と頼んでも135.4kmの道のりに1日上下16本の運転のみで、所要2時間半..やはり廃線という文字がちらつく多難極まりない前途である
オオワシの群れ |
右下隅にエゾ鹿 |
車内にはなんと元峰不二子も居た。聞けばルパンラッピング列車に今日2回目の乗車!(要は釧路5:35発に乗車して釧路~根室間を往復したのだ!)で、過日は故モンキーパンチ先生のふるさと浜中町を一日掛けて回ったそうだ。鉄女でなくルパン女子。御年60歳台?お若い頃は不二子も敵わない美人だったに違いない。
10:45定刻に釧路駅着。20分後の11:05にSLが出発する。この乗り換えも結構慌ただしい
【ミッション3「SL 1番列車に乗れ!」】
20年目を迎えたSL冬の湿原号はこの日が今シーズンの1番列車、なので釧路駅での出発セレモニーが盛大だ。沿線の撮り鉄の数ももの凄い。わしも本来はあっち側だな、などと考えつつ今日は乗り鉄をする。異様に降雪が少ない今年の北海道。釧路湿原は芦原のような寒々しさだったがそれでも優雅なタンチョウを、根室のやきとり弁当と焼さんま寿司を喰いながら見た。
ちなみに指定席乗車券は既定の1ヶ月の更に1週間前から先行予約出来る「えきねっと」を使った。このようにJR北海道の予約システムは既にJR東日本に乗っかっている。JR東日本がどうJR北海道を飲み込んで支援するか、と言う考えも有るに違いない
素晴らしいコンビネーションの行き先表示板 |
撮り鉄の群れとSLの蒸気 |
ちょうど1時間半でSLの終着 標茶駅。SLとの別れもそこそこに跨線橋を渡り、5分後に発車する釧路行き快速しれとこ摩周号で折り返す。2両編成で高校生も多く座れないヒトも居る。快速は怠惰にしかし定刻に釧路駅に到着した。接続する特急スーパーおおぞら8号との接続時間はわずか6分。自由席に滑り込むと社内はガラガラでひと安心。北海道の特急はこの3月のダイヤ改正から「スーパー」の文字が消える。特急スーパー〇〇に乗るのもこれが最後かな、と大橋俊夫元アナの美声車内アナウンスを聞きながら感慨に浸る。
ミッション3、クリア!
標茶駅から釧路駅へ戻るのは快速しれとこ摩周、2両編成 |
【ミッション4「帯広競馬場で旅費を回収しろ!」】
極寒旅の道中に意表を突いた帯広十勝ばんえい競馬場参戦。
個人協賛競走(協賛金は1レース1万円)で第8R ハッピーカップ、第9R オカップを仕込んでおいた。
第1回ハッピーカップは16:50、第1回オカップは17:25の発走。釧路駅から乗ったスーパーおおぞらは15:19に帯広駅に着いて、駅前のレンタカーで競馬場へ。第7R発走前に到着したので総合案内所に来場を告げた後にまずは運試し。結局7R~10Rまでやって、
- Mr.オカップ 4戦2勝 立派
- Mr.ハッピー 4戦2勝 立派。しかも自身のハッピーカップも当てている
- ワタクシ 4戦0勝 競馬歴40年弱..お恥ずかしい
ミッション4、クリア!
競馬場を後にした我ら一行はクルマを20分ほど走らせ、今日の宿であるテトラリゾート十勝川温泉にチェックイン。2食付きの晩飯に60分1,300円と言う中途半端な価格設定の飲み放題を付ける。風呂に入りつつ続きは部屋呑み。ここまで飛ばせずフラストレーションが溜まったので呑みながら室内でドローン飛ばし。今夜の帯広は今年一番の寒さだとか。
閑話休題、
「氷点下の3日間」と言うのは誇張では無く、気温がマイナスでなかったのは最終日のえりも町付近での0℃のみ、それもホンの一瞬。あとはずっとマイナスだった。毎年毎年こんな季節を迎える北海道の方々には頭が下がる。
ここで場所ごとの気温を見てみよう。
- 1/24(金)16時の納沙布岬はマイナス8.7℃、風速8.6㍍、体感温度マイナス19.3℃!
- 寒さに加えてもの凄い風だが、写真にそれらは写らない。薄暗くなり北方館も閉館、命の危険を感じて16:20に退散
- 1/25(土)朝8時の根室は晴れ、キリリとマイナス6.2℃、体感温度マイナス12.8℃。ここは始終、根室港からの北風が強く吹き付けている「凍てつく街」だ
- 1/25 (土)SLに乗る11時の釧路は晴れ、マイナス4.8℃。風もなく穏やかな寒さ
- 1/25 (土)16時の帯広競馬場はマイナス5.8℃でその後どんどん下がった。競馬場スタッフ達も今日明日の帯広は今年一番寒いです、暖かい時にまた来て下さい、と口々に言った
- 1/26 (日)朝7時の帯広はマイナス12.9℃で今季最寒の快晴
ちょうど日の出だった(当日の日の出時刻は6時49分) |
- 1/26 (日)朝9時のジュエリーアイス海岸(十勝川河口、豊頃町大津海岸)は快晴、マイナス14℃!
- 我がドローン「ドロンジョ」を70㍍まで上げたが機体低温になり緊急帰還、惜しくも70㍍上空からの空撮動画を失ったOrz..この低気温だとバッテリーがもたない。昨晩の帯広競馬場ではデジカメのバッテリーが逝った…バッテリーは常に優しく温めておく必要がある
- 1/26 (日)14時襟裳岬は快晴、マイナス2.2℃ 風速9.9㍍、体感温度マイナス13.3℃。「風極の地」と自ら名乗っている通りの暴風地獄
その名も「風の館」は冬季閉鎖中。しかしながら初日の出の元旦の朝だけは営業すると書いてあった。いざという時のシェルターが無いと死人が出るんだろうなー |
冬の北海道旅を遂行するには天候の助け(運)が必要だ。吹雪けば列車は遅れて乗り継ぎ出来ず、積雪でバスやレンタカーの移動距離が制限される。今回は大変恵まれたので道中に遅延の支障無しと言う奇跡!
The DAY-3
2020年1月26日(日)
帯広十勝川温泉~大津海岸~日高山脈~天馬街道~様似~襟裳岬~広尾~帯広空港
【ミッション5「魅惑のジュエリーアイス」】
朝7時のホテル駐車場はマイナス12.9℃で今季最寒の快晴。
7時朝食、8時出発。朝食バイキングには十勝小豆のお汁粉も有った。
まず向かうは「ジュエリーアイス@豊頃町大津海岸」。小一時間で到着。幸い無風なのでドローンを70㍍まで上げたが急遽帰還は前述の通り。温かい休憩所で200円のココアを飲みながら地元のおばちゃんに聞くと「氷自体は昔から有った」「豊頃町出身の英語教師浦島氏がジュエリーアイスと名付けて大ブレーク中。氏は現在帯広在住」だそうで、名前からしてもっとロマンチックなものかと思いきや、ただ大きな氷が浜に転がっているのみ。もっとも良く探せば形や色の素晴らしいのも有るんだろうがいかんせんマイナス14℃は寒くて長居出来ない。
休憩所でドローンも温まったので次の目的地を「大樹町ロケット見学場」に定めて移動開始した。
大樹町ロケット見学場へは結局消防車とパトカーに翻弄されて到着出来ず、とりあえず先を急ぐことにした
ミッション5はクリア!
【ミッション6「日高山脈最南端を目指せ」】
前回9月はノシャップ岬と宗谷岬を攻めたMr.オカップとワタクシめ。今回は納沙布岬に続けて南端「襟裳岬」も攻略する。
浦河へ向かう道は「天馬街道」と名付けられていた。天馬トウショウボーイの生まれ故郷からのロマン溢れるネーミングなんだろう。
当初の行動プランは以下のようになっていた
① 日高本線 様似駅(現在鉄道は不通の、日高本線のドンツキ)
→クリア
日高本線最南端 様似駅のドンツキ |
② えりも住吉神社で御朱印ゲット
→クリア。襟裳神社(無人)の御朱印も貰った
③ 襟裳岬
→クリア。森進一は何も無いと唄ったが、暴風と灯台と、逆さの北海道が有った
珍しい、逆さの北海道。カムチャツカ半島からロシアはニッポンをこう見ている |
→クリア。宮司のご自宅で御朱印をゲット
⑤ 道の駅 コスモール大樹で買い物
→ クリア
5.5 昨日のリベンジで急きょ追加「大樹町宇宙交流センターSORA」
→クリア
⑥ 旧愛国駅→時間の都合で割愛
⑦ 旧幸福駅
→クリア。悪趣味ながらまだ続いている
相変わらずの悪趣味 |
→17時返却予定に対し17時10分の返却と予定通り。走行距離360km
⑨ 帯広空港内反省会
→クリア。結構時間が有ったので、残っていた焼酎にトカップ紅白を割としこたま飲んで、18:45に搭乗ゲートへ
ミッション6、クリア!
そう言うわけで怒涛の「氷点下の3日間」も終わりを迎えた。Mr.オカップとハッピーは19:25発のANA(エアドゥー)で帰京、ワタクシは更に待って20:10発のJAL。搭乗口検査場の混雑とかで、JAL機は30分以上の出発遅れ。田舎空港なんだから搭乗行為をもっと早くしろっての。
ともかく詰め込み過ぎた2泊3日だったが、
- 地球探索線 花咲線
- エゾ鹿
- 厚岸かきめし弁当
- 東根室駅&根室駅
- 治山ダムカード
- 納沙布岬
- やきとり弁当&焼さんま寿司
- ルパン列車
- オオワシ
- 花咲線からのジオ車窓
- 釧網本線
- SL冬の湿原号
- タンチョウ
夕暮れに帯広空港の近くで見かけた |
- スーパーおおぞら
3月から北海道で見られなくなる「スーパー〇〇」 |
- 帯広競馬場 オカップ&ハッピーカップ
- ジュエリーアイス
- 天馬街道
- 様似駅
- 襟裳岬
- 大樹町宇宙交流センターSORA(行ってみたら冬季閉館中)
- 旧幸福駅跡地
- 御朱印 計4件
お疲れさまでした!
Thanks a lot for JR Hokkaido and Samui Chiiki Ni Osumai No Minasan!
(了)
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