2022年11月15日火曜日

♪冬が来る前に-2/飯田線秘境駅探訪Again

「飛び道具とは卑怯なり」
もとい、
「飛び道具(ドローン)で秘境駅」

飯田線秘境駅探訪は2年前に、小和田駅下り&上り登山を中心に北から千代駅、金野駅、為栗駅、平岡駅(泊)、伊那小沢駅、中井侍駅、小和田駅と秘境駅をひと通り回ったのだが、やり残しがふたつ有った。
ひとつは車で行ける最強の秘境駅「金野駅」まで折角行ったのに、ドローン空撮をし忘れたこと、
もうひとつは「ニッポンの秘境駅No.5」田本駅に辿り着けなかったことだ。

2年前の金野駅。ご覧のようにドローン飛ばしスペースが広い

今回のプランは呻吟を重ねて、超マニアックな「金野駅発着の箱ダイヤ乗り鉄」企画となった。その行程は、
0630 金野駅に到着。駅前にクルマを停める
0648 伊那松島行き1501M
0651 千代駅で降りる。千代駅探索Again
0657 豊橋行き1400M
0713 田本駅で降りる。初散策
0720 伊那松島駅行き1503M
0734 金野駅で降りる。0744頃に金野駅を通過する普通列車528M豊橋駅行きを撮影する
0825 飯田駅行き1507M
0852 毛賀駅で降りる。この辺は乗り継ぎの時間調整
0900 天竜峡駅行き202M
0911/0914発 天竜峡駅乗り換え、1504M中部天竜駅行き
以下、主要駅の時刻
0922 金野駅 飯田線で最も乗降客数が少ない駅
0937 田本駅 駅へのアプローチは山道
0947 為栗駅 駅へのアプローチは吊り橋のみ
1006 中井侍駅 茶畑の底の駅
1011 小和田駅 駅へのアプローチは30分以上山道を下る
1016 大嵐駅
この先、5,063mの大原トンネルを通る
1023 水窪駅着、下車
1105 豊橋行き特急伊那路を撮影
1106 水窪駅発511M
1112 大嵐駅
1117 小和田駅 2022年度ニッポンの秘境駅 第3位
1122 中井侍駅 〃 10位
1140 為栗駅 〃 13位
1148 田本駅 〃 5位
1201 金野駅(GOAL) 〃 6位
と言う、マニア垂涎の箱ダイヤである。

きっぷは、土日のみ販売されているJR東海「青空フリーパス」が有り、気兼ねなく乗れる。このきっぷは天竜峡駅で買えるので、金野駅へ行く前に立ち寄って入手する。

この区間の普通列車1日乗り放題。おとな2,620円


素晴らしい計画だったが、天候悪化の予報も有り、帰路の渋滞も考慮して、このフル計画は前泊した飯田のホテルで少々縮小された。
絞り込んだ結果、
1) 金野駅を通過する普通列車を撮影、駅上空を空撮
2) 田本駅へ徒歩で到達
3) 美和ダムの道の駅長谷に寄りたいので飯田線乗車を省略して、早めに退散する
と言うシンプルなものになった。基本的には撮り鉄>乗り鉄なので、飯田線に乗るのが少し面倒になってしまったのだ(笑)

そう言うわけで0730金野駅到着を目指して、飯田のホテルを0620頃に出発した。
低いところはところどころ霧が深い。やがて金野駅の入口にかなり近づいたところで絶景の雲海に出会った。山城のような風景が眼下に拡がる。

ホントに山城のよう

そして金野駅への右折。この林道は途中からクルマ1台ギリギリ幅の崖(がけ)道になるので運転にかなり自信が有る者以外は入らない方がいい。但し、秘境駅オタ以外の車は来ないので、すれ違いをさほど心配する必要は無い(すれ違いは不可能)。2kmほど進んで手前集落の最後の人家、狭い林道はここから、と言うところに有ったのが無念の看板。
鉄道駅なのに、金野駅まで行けませんとはどういう事か!
万一金野駅で降りた人が居たらどうするのか!
迂回路は無いのか!
等とほざいても無駄(誰も乗り降りしないんです)。
まったくもう

引き返さざるを得なかった。
元々の箱ダイヤ飯田線乗車計画で、きっぷを買ってここまで来ていたらくじけていたところだ。
しかし今は違う(笑)、次の「田本駅探索」に切り替える。

田本駅は前回、降り口がわからず時間も足りずに諦めたが今回は下調べ済みだ。
有った、有りました田本駅への下降案内看板。コーラの販売機が目印です。

降り口はガードレールの切れ目。多分、田本駅、と書いてある

ガードレールの切れ目は向かいのコーラ販売機が目印。販売機側の手前50㍍位の所に駐車出来るスペースが有る

小和田駅もそうだがなぜ駅との往来がこんな山道なのか。ちょっと下り道を追ってみましょう。
降り始め。既に道としてやる気なし

竹捨て場。コンクリートうちっ放しのこんな道がずっと続く

ところどころガードレールが現れる

この辺は平坦でやや楽

強烈な下り(帰り道が嫌になる)

やがて唐突に現れる線路とホーム。川面に近い小和田駅よりも、かなり中腹を貫いている。先にトンネルが観えるが、足元もトンネルだ。右の崖下がプラットホーム

駅に入る唯一の階段。Not バリアフリー

そして到着。駅名標をはじめ、ホームは綺麗



急坂を下ること15分弱、やがて田本駅への入り口階段が現れる。人の声がしたが誰も居ない。暫くすると駅のホームのスピーカーから飯田線上り下りとも数分遅れているとのアナウンスが流れた。人の声はこれだった。

あいにく電車はしばらくやって来ないのでドローンを飛ばした。トンネルに挟まれたわずかな場所で、駅である必要は本来は、無い。

帰りは急登なので杖になりそうな枝を拾って、息を切らしつつ休み休み登って20分強。小和田駅に比べると距離は半分以下の軽登山。小和田駅の難易度がわかる。

上の道路に辿り着いた頃、列車到着の音がした。飯田線は気動車で無く電車なのでレトロ感が無いところは少々残念だ。


帰路は、ニッポンの原風景と紅葉を楽しみながら下道を北上した。道の駅でりんごと干し柿干し芋などを買う。この時期は色んなものが美味い。
やがて伊那で三峰川沿いに右折して高遠、美和ダムから道の駅 南アルプスむら長谷。お目当てのクロワッサンはやはり店頭売り無し、但し試食品が出ていたのですかさず1個頂く。
高遠は城下町で、城址公園の桜祭りは素晴らしい。歴史を感じさせる、落ち着いた町だ。

ここからは更に原風景度が高まる国道152号線高遠スケッチ街道で茅野。
右に入れば入笠山だが、今年は一度も行けなかった。思えば今年のキャンプも1回きり、釣った魚もイワナ1匹だけだった。アクティビティが減っているのは寂しい限りだ..

かくして、2日間走行距離860kmに渡る♪冬が来る前に~作戦は無事に幕を閉じた。
しかしこう言う旅は行ったら行ったでまたやり残し課題を残す。
雪が溶けたらまたきっと、塩の道陽刻お地蔵さん探しと飯田線金野駅へ出かけているに違いない。
Special Thanks を 塩の道資料館管理人&案内人のご婦人へ
(了)

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