北海道はデッカイドー、行っても行っても行き切れずに積み残しが出るのが北海道。おまけにJR路線の廃線や廃駅、どさん娘ロコ・ソラーレの大活躍なんかが毎年出て来るので行かなければならない強迫観念に駆られるのも北海道。
ひと言で言うなら広くて寒くてまばらで厄介なところ、それが北海道。
50歳を過ぎて利用可能になったJR東日本「大人の休日倶楽部パス」が北海道との距離を急速に縮めてくれた。
JR東日本とJR北海道エリア内連続5日間乗り放題、新幹線も含む特急列車にも乗れて26千円強と言う超お得プライスもさることながら、東京駅から早朝の新幹線はやぶさに乗ればその日の内に最北端稚内駅、最果て網走駅や釧路駅に着けてしまうと言う速達性も兼ね備えている。
しかしながらこのJR大休(オトキュウ)パスでは行けないところが有る。もはや線路が一筆書きで描けるほどに減った道内では、行ける駅・乗れる路線が極端に限られるのである。
最北端稚内から時計回りに網走、知床斜里、根室、釧路、帯広、室蘭、函館、長万部、小樽、札幌、旭川。これら駅には回れるが、かつて鉄道が結んでいたその駅間や、最果て感を醸し出す各岬などへはレンタカーを繰り出すしかない。
そこで安いフライトとレンタカーを組み合わせたプランも実行した。
かくして「乗りつぶし」は鉄道、「塗りつぶし」はフライト&レンタカーのハイブリッドで挑むことになったのが表題の「北海道塗り潰し計画」で有り、今回はその最終章を目指していた。
ここまでの挑戦経緯を振り返ってみよう。
① ウンヨウBlog: 塗りつぶし直前「北海道旅回顧」
今回の旅直前にまとめたこれまでの北海道上陸経緯ダイジェスト
② ウンヨウBlog: 乗り鉄北海道最北端の旅 2019年9月<大休パス利用>
これは自画自賛、JR北海道現役10特急と臨時特急ニセコ全部乗車の異次元旅
③ ウンヨウBlog: 氷点下の3日間 <マイル特典航空券+レンタカー>
ホントに道中ずっと氷点下の3日間。氷雪の根室、強風の納沙布岬と襟裳岬、▲14℃のジュエリーアイス、▲6℃帯広競馬場名付けレース詰め込み旅
④ ウンヨウBlog: 羅臼、野付半島そして聖地常呂へ <LCCピーチ女満別+レンタカー>
北京五輪銀メダルを祝っての聖地初上陸。ロコ・ソラーレは滞在中に常呂で行われていた日本選手権(無観客開催)も優勝。ほたて屋の女将と初邂逅
⑤ ウンヨウBlog: 「廃線前の北海道」最果ての乗りつぶし旅<大休パス利用>
初日をはやぶさ0632東京駅発→北斗→おおぞら→釧路駅経由釧網本線で網走駅2200着まで1,592.2kmを乗る耐久戦。2日目は廃線直前の留萌駅へ行った
その他にも夕張駅葬式鉄や、カシオペア/はまなす葬式鉄などにも出掛けている。もっとも、若い頃は北海道出張に組み込んでボチボチやっていたに過ぎない。前述の通り距離が縮まったのは大休パス以降だ。
さて、今回の旅に戻ろう。
往路:稚内空港IN
復路:帯広空港OUT
同行のひとりが宗谷岬未踏だったので、宗谷岬を越えてオホーツク海沿いを南下、聖地常呂行きはまず決まった。
前述のブログにも書いたが、今回の積み残し回収ポイントは大きく3個、
- 樺太で起こった9人の乙女の悲劇を今に伝える猿払電話中継所跡
- 北海道で一番小さい音威子府村の、音威子府駅に隣接する天北線資料室。日本一と言われた駅そば屋は我々の来訪を待てずに昨年8月に閉店してしまった
- 旧国鉄士幌線タウシュベツ川橋梁跡。夏に湖底に沈み、冬に姿を現す廃線跡のコンクリート製鉄道橋
課題クリアの為の当初ルート案:猿払を越したら音威子府に立ち寄り、再びオホーツク沿いに戻る。常呂から大雪ダム~旧国鉄士幌線跡を南下してタウシュベツ橋梁、そして帯広。頑張って襟裳岬まで行けば北海道真っ二つ縦断 |
羽田空港→稚内空港はANAしか飛んでいないので一択。ANAの平日7千円休日1万円セールチケットを個々に取って羽田空港集合。
帰路の帯広空港→羽田空港はエアドゥ(ANA)とJALが有り、JAL派の私メは6,600円セールに徹夜して臨んだがシステムパンクでセール中止。止む無くエアドゥのセールチケットに切り替える。苦労したひと晩をどうしてくれるのか、JALの馬鹿野郎。
初日
羽田空港から稚内空港へ
羽田空港→稚内空港は一直線に北上する。満席だったB738から直前にエアバス321に機材変更でラッキー |
快晴の稚内空港から宗谷岬~猿払
最北端のセコマで軽食。相変わらず凛々しい間宮林蔵像 |
宗谷岬は2回目。日本最北端到達証明も更新 |
宗谷岬からオホーツク海側へ向かい、やがて念願の猿払電話中継所跡。乙女の叫びが聴こえるようだ。課題①クリア |
道すがら、旧国鉄興浜北線 豊牛駅跡、斜内駅跡。真ん中の取っ散らかっているのは豊牛駅舎内 |
北半球の真ん中、オホーツク海側の北緯45°標、枝幸の広場に有った電子基準点 |
ちなみに日本海側の北緯45°標 |
北緯45°標の東西位置関係はこんな感じ |
ここで重大な決断が迫った。今夜の宿は紋別セントラルホテル、夕食付きでラストオーダー21時。夕食はホタテづくしにたらば蟹の付いた豪華なオホーツク御膳なので出来れば19時位には着いて一杯やりながらゆっくり喰いたいもの。ハナから無理な計画と言えばそれまでだが確信犯的に入れておいた音威子府行きが怪しくなった。オホーツク国道から音威子府へ入れば往復+2.5h、ホテル到着は早くても20時30分になる。
苦渋の決断であったが、音威子府行きを潔く諦めた。
実は音威子府行きを諦めるのはこれが初めてでは無い。
2019年鉄道旅の途中で走ったレンタカー(日本海側の北緯45°標へ行った時)の時も、帰路稚内駅発特急宗谷に間に合わない恐れ有りと、音威子府行きを諦めている。
2度有ることは3度有るのかはたまた3度目の正直なるのか。今回は塗り潰しを完遂する予定のところ、また積み残しが出てしまった。かようにデッカイドー北海道、遠くて遠い音威子府、無念の課題②放棄
道の駅雄武は旧雄武駅。マンホールカードをゲット。時間外のご対応をありがとうございました! |
そう言うわけで予定通り19時少し前に紋別のホテルに着き、晩飯は19:30からと相成った
夕飯も朝飯も素晴らしいホテルでした。エクステリア・インテリアも綺麗にしたようでお奨めです |
2日目:お嬢様との網走ランチをどうするか
ほたて喰い放題と言う豪華な朝飯を終えて本日は0745出発。今日も快晴でラッキー。
蟹の爪オブジェとガリンコ号からスタート。初代ガリンコ号はもろにマグマライザーかサンダーバード4号 |
中湧別駅記念館。廃駅にしては珍しく、ホーム、線路、跨線橋、貨車が綺麗に保存されていて嬉しいところ |
今回は快晴のサロマ湖サンセットパーキング。夕湖さんの名付け由来の場所(らしい)。ここでちょうど10時になり、お嬢様のご意向を確認の後に、網走のレストランを予約する |
そして聖地。
ほたて屋の美人女将と再会の後は、常呂神社で必勝祈願のお詣り。嗚呼ザンギを是非一緒に |
11時30分のレストラン予約に間に合わせようと能取湖畔をかっ飛ばす。
かくして網走の待ち合わせ場所に定刻11:20着、レストランにもちょうど11:30に着いた。奇跡的な時間配分である。前半のヤマ場を越えてホッとする。
(中略)
昼飯の後は大雪ダムからタウシュベツ橋梁に突入する「まさにこの旅の白眉」が残っている。
網走出発が14時近くになってしまった。大雪ダムまでは126km、2h20mとナビに出る。大雪ダム16時だとその後の行程がきつい。タウシュベツが暗くなる。先を急ぐ。
道路はネッツトヨタ前を通る北見市内でやや混んだ以外は順調で、1510大雪ダムでダムカード入手の快挙!1時間巻いた!!
石北峠を踏破。峠到着は1455。この辺り、翌日は雪が降った模様 |
このダムカードは価値有りでしょう。大雪山、石狩岳、音更山が綺麗だった。大雪湖(ダム湖)はまだ結氷 |
ここからは帯広方向へ一路南下しながら旧士幌線モニュメントを探訪。士幌線跡地へはいずれ帯広から上がってみようと考えていたので、網走から来ることになるとは意外や意外。しかしながらゴールを目指して一路下って行くと言うのはなかなか爽快で良いルート選択だ
かつての国鉄士幌線の終着駅十勝三股駅標。木材運搬の為に出来た路線と駅。廃駅廃線までには紆余曲折が有ったようだ |
1624、念願のタウシュベツ橋梁展望台に到着。路肩に車を停めて徒歩数分、暗くなる前に着けて良かった。向かい風が強くドローン飛行を断念、またしても無念である
夏はダム湖に沈み冬に姿を現す、もの悲しさ満点のタウシュベツ橋梁。課題③クリア。まだ4月なので近くまで行ける林道はクローズされている |
続いて第三音更川橋梁。大きくてしっかり残っている。迫力満点 |
この付近での最後の訪問地は旧糠平駅。併設の上士幌町鉄道資料館は閉館していた。ヒトは誰も居ないが鹿の群れが居て、やがてどこからかキタキツネが現れた。ちと脅かしたら警戒した |
1655、旧国鉄士幌線跡地一連の見学を経て、旧糠平駅を後にする。
この後は帯広駅至近のホテルにチェックイン、近所の居酒屋で北の勝とザンギ。部屋呑みの後に街へ少々繰り出して追加もう一杯。
全国旅行割(HOKKAIDO LOVE!. 割)は宿泊代割引の上に平日宿泊2千円、土曜宿泊1千円分のクーポンがひとりずつ貰えてお得。但し帯広の飲食店の例だと紙クーポンのまま使える店は少ないようで、STAYNAVI登録後に電子クーポンに変えておく必要が有る。配布される紙クーポンのQRコードをスマホで読んでチャージし、支払いはお店のQRコードを読み込んで利用金額を入力する。PayPayに慣れていればダイジョブと言ったところか。ただこう言うもののハードルは年々上がるような気がしますね..
最終日:大雨、しかし基本的には帰るだけなので問題無し
ふく井ホテルの朝食からスタート。和洋中コンチネンタル4種類から選べる。洋食を選択。秀逸 |
可愛い御朱印の帯廣神社 |
その後は池田町へクルマを飛ばし「池田ワイン城」でセラーの見学、ドリカム葡萄園の見学
地元出身よしだみが地元中学生たちと植えたと言うドリカム葡萄園。敷地内にはDCTgarden IKEDAと言うドリカム博物館も有る。もの凄い衣装の数。スーパースター |
いよいよ旅も最後に近づいた。雨の中を一路帯広空港へ。トヨタレンタカーで返却、走行距離724km。今回も良く走りました
今回ゲットの御朱印と御翔印(馬鹿JALの新商売) |
馬鹿JALのお陰でエアドゥ。ボロ機材、羽田混雑影響とかで30分遅れ、羽田に着いたらバスに乗らされる。身分低過ぎ、成田に変えたら? |
羽田に政府専用機 |
今回の最終走行ルート(724km)、稚内空港→A宗谷岬B紋別ホテルC常呂ほたて屋D網走レストランE大雪ダムFタウシュベツ橋梁G帯広ホテルH池田ワイン城→帯広空港。こうやって見るとやはり石北峠越えD→Eが長い |
【おまけ】Yumi & Kaho。ふたりは仲良しだそうです |
音威子府は逃したものの「最も行きにくかった」猿払と浜頓別をクリアしたからまずは良しとするか。音威子府は宗谷本線の廃線や短縮までまだ時間が有る。焦らなくても逃げまい。
馬鹿JALを除けば順調な旅でした。
Special Thanks to 道中お世話になった皆さん&ほたて屋の女将!
2023年4月中旬の旅、北海道はまだまだ冬
See U again! (了)